魔獣の覚醒



「カツミィーーーッ」

俺は走っていた

カツミの待つ教会へと

早くカツミのもとへ戻らなければこの村へ侵攻し始めたエグリゴリは・・・・・


  俺はおまえら(エグリゴリ)の思い通りにはならないぞ!


「りょ、涼!!」

教会の中からカツミが姿を現す


  俺達は自分の運命を取り戻すんだ!!


俺はカツミのもとへと駆け寄ろうとする

カツミもこちらに駆け寄ってくるのがわかる

「!?」

なにかが俺の背後からものすごい速さで通り過ぎていった・・・・

ミサイルだ・・・・

そして・・・・それは・・・・・それは・・・・・




目前の教会は次の瞬間には炎と化していた

俺はその炎の中に立っている

不思議と熱さは感じない・・・

・・・焼け死ぬかもしれないのに?

しかし俺の頭の中には・・・


 カツミ・・・・・

  カツミ・・・・・
 
  カツミ・・・・・


目の前にいたはずのカツミの姿はない

頭の中にカツミの声が再生される・・・・


  いっしょに抜け出そうよ・・・・・・・

  この狂った世界から・・・・・・・・・・


俺の目から熱いものが流れ落ちてくる・・・

涙だ・・・・


  カツミ!


次に思い出されるのはカツミとの幼少時からの思い出・・・


  名前・・・なんて言うの!?


初めて会った時の俺のカツミへの言葉・・・

そしてカツミは・・・


  カツミ・・・・・・・・・

  アカギ カツミ・・・・・・・・・

  引っ越してきたばかりなの・・・・・・・・・


頭の中をカツミとのさまざまな思い出が流れる


  小学校・・・・

  中学校・・・・・

  高校・・・・・・・

  そしてここ鐙沢村での・・・・


涙はまだ止まらない・・・・・


  カツミ・・・・

  カツミ・・・・

  カツミ・・・・

  カツミ・・・・

  カツミ・・・・

  カツミ・・・・

  ・・・・・・・・・・・

  カツミ!


その時俺の上を突風と共に一機のヘリコプターが上空を通過していった

おそらくはここを炎の海とし、俺からカツミを奪った・・・・


  憎い・・・・・・・

  憎い!!

俺の頭の中は憎しみで満たされ始めた




  力が欲しいか!!




俺の頭の中に突然聞き覚えのある声が響いた・・・

俺にはその声の主はわかる・・・・・

俺の右腕へと移植されていたARMSからなのだということが

学校のときも、隼人の家のときも、ここ鐙沢村でも俺はその声を聞いていた


  我はジャバオック・・・


「!?」

その声を聞いたとたん俺の身体に変化が生じた!


  我はジャバオック!!


次の瞬間には俺は・・・・・

・・・・俺を見ている?

・・・いや、俺じゃないもっと別の・・・・

とても言葉では表せない・・・

一言で言うなら、そう


  魔獣


俺はそれをみながら動くことができない・・・


  我はジャバオック!!

  力が欲しいのなら・・・・・・・・・・・

  くれてやる!!














次に俺が気がついたときには俺は炎のなかにいた

しかし熱さは感じない・・・

この炎は・・・俺の復讐の心が見せる幻なのか?

俺は身体を動かすことができない

しかし更なる視線の先には・・・











 俺の現実は崩壊した・・・

  両親も・・・・

  カツミも・・・・
 
  失った・・・・・

  そして・・・・・

  現実は・・・・・

  未来はどこに向かっているんだろう・・・・

(この読切はね☆)

どうも著者のパラサイトです!
今回は週間少年サンデーに現在連載中の「ARMS」の題3巻「覚醒」を小説化してみました!
おもいたって2時間ほどで書き上げてみましたがどうでしたでしょうか?
己の意志とは無関係に己の右腕にARMSなどというものを取り付けられ、
そしてそれによって己の運命さえも変えられてしまった高槻 涼
我であったらもう逃げ出しちゃってるでしょうね(爆)

本編では今後どのような展開になるのか毎週楽しみにしているパラサイトでした!




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