EVE 世界名作劇場 〜 シンデレラ〜



キャスト

シンデレラ・・・御堂 真弥子
姉1・・・桂木 弥生
姉2・・・氷室 恭子
母・・・香川 美純
王様・・・桂木 源三郎
王子・・・天城 小次郎
従者A・・・二階堂
従者B・・・グレン
魔法使い・・・法条 まりな
使い魔・・・甲野 本部長
特別出演・・・桐野 杏子 & 江国 雄二



        

むか〜し むかし ・・・・・ある王国の貴族の娘に、真弥子という小娘がおりました

この小娘には弥生・恭子というと〜〜〜〜っても意地悪な姉に、

香川というさらに意地悪な母がいて、真弥子は毎日家事・雑用にこき使われるという

大変いい気味・・・・・・・もとい、かわいそうなのでした


そしてそれは今日も・・・


香川「ちょっと真弥子さん!階段にホコリがたまっていてよ!」

真弥子「は、はいただいま(フン、なら自分で掃除しなさいよ)」

弥生「おい真弥子くん、私の部屋の掃除もう一回やり直してくれたまえ。なんだかホコリっぽいんだ」

真弥子「はーい(チッ、後でゴキブリでも放してやろうかしら)」

恭子「真弥子さん、ちょっとコーヒーでも煎れてくれないかしら」

真弥子「は、はい(そうだ!階段のホコリを掃除した雑巾を絞ってコーヒーにいれちゃえ)」

などとこき使われながらも、儚くも些細な抵抗は試みていたいたのでした



そんなある日・・・


    トントン

玄関がノックされ、真弥子が出ると、なにやら身なりを整えてはいるのですが、巨漢で色黒と怪しさ400%の男が立っていました

グレン「失礼お嬢さん、お母さんはいるかな?」

真弥子「は、はいただいま。少々お待ち下さい」

真弥子は怯えながらも返事をし、母親を呼びに行き、その後はもくもくと洗濯やら掃除を手を抜きながらも続けました


しばらく掃除をしていると、母親が戻ってきて

香川「ちょっと、真弥子さん。弥生と恭子を呼んできておくれ」

真弥子「え、は、はい。(チッ、そのくらい自分でいけっていうのよ。なんでもかんでも私にやらせて)」

などと心の中でつぶやきながらも姉達を呼びにいき、皆が居間に集まります

弥生「どうしたんだママ、なにかあったのか?」

弥生姉が尋ねると、

香川「ええ、今お城の従者の方がおみえになって今夜お城の舞踏会に私達も招待されたの。しかもその舞踏会で小次郎王子の后候補を選ぶんですって、あなた達のどちらかが選ばれればまさに玉の輿!このチャンスを逃す手はないわ!!」

香川ママは拳を握り、熱のこもった野心を告げます

恭子「そうね、一国の后にでもなれば財力と権力が手中にも入るわ」

弥生「そうだな、王子があの男だというのは気に入らないが確かにこれはチャンスだ」

などと姉達もやる気まんまんです

そして真弥子も舞踏会に行きたくて仕方がありません

そこで真弥子は勇気を振り絞って

真弥子「・・・・・あの〜・・・・・私は?」

香川・弥生・恭子「留守番!」

と、真弥子のわずかながらの望みも3人の野心の前にはあえなく0.3秒で押しつぶされてしまったのでした













姉達が奇麗なドレスを着て舞踏会に行っている頃、真弥子は一人裁縫をしながら留守番をしていました

真弥子「ああ〜舞踏会・・・・・私も行きたかったな〜・・・・・・・・小次郎王子ってどんな人かしら?」

行けない寂しさを妄想で埋めるしかないかわいそうな真弥子

真弥子「ああ〜舞踏会・・・・・・行きたいな〜・・・・・・」

    ドスッ、ドスッ

行けない鬱憤を晴らすかのように弥生の部屋から勝手に持ってきたバージニアスリム色のぬいぐるみで真弥子はストレスを解消します

・・・「う〜ん、腰が入ったいい突きね〜」

ストレスを解消していると突然話し掛けられてしまいました

声のした部屋の入り口の方を見やると一人の派手な格好で、ホウキを持った女の人が立っています

・・・「はろはろ〜、私の名前はまりな、魔法使いのおねぇーさんよ☆」

などとまったく自分のペースで自己紹介を始めるのですが、真弥子はしっかり者です

真弥子はすばやく受話器を取って110を押し、

真弥子「もしもし警察ですか?いま家に派手な格好でホウキをもった怪しいオバさんが不法侵入を犯しています。すぐに捕まえてくだ・・・」

まりな「待て〜い!」

しかし魔法使いを名乗るまりなの行動もすばやく、受話器を奪取して電話を切ってしまいました

真弥子にはもうこの不法侵入者に対して抵抗する手段がありません

真弥子「・・・ご、ごめんなさい・・・・・お金ならありません・・・・許して下さい・・・・」

まりな「ヘッヘヘヘ、大声をだしたって誰もきちゃーくれないよ」

真弥子の怯えた瞳にまりなのサディスティックな感情が揺り動かされたのか、まりなはもうまったくの悪人口調になっていました

まりな「・・・・・・ってなにその気にさせてんのよ!」

真弥子「・・・・・・・・・・(自分で言ってるじゃない)」

などとは恐ろしくて言えません

まりな「私は魔法使いのおねぇさんだって言ってるでしょ!」

真弥子「・・・・・・・・・・・」

真弥子自身の危機のために声が出せません

まりな「なによその目は・・・・・」

真弥子「疑ってるんです・・・・・」

やっと出た声はそれでした

そして真弥子の目はまりなの発言を全然信じていないと語っています

まりな「せっかくあなたがかわいそうだから舞踏会に連れていってあげようとおもったのに・・・・」

真弥子「ホントに!?」

まりなの『舞踏会に連れて行く』という言葉に即座に真弥子は反応します

その迫力に今度はまりなが押され、ただコウコクとうなずくしかできません

真弥子は舞踏会に行けるかも知れないという期待に揺れ動きます

だが・・・・

真弥子「・・・・でも・・・・・家事をやっておかないと香川ママに怒られちゃう・・・・」

そうです、真弥子には意地悪な母や姉達に押し付けられた家事があったのです

行けないとわかるととたんに真弥子はまた暗く沈んでしまいました

だが我に返ったまりなが言います

まりな「ノンノン、大丈夫よ全て私に任せておいて」

真弥子「え、じゃあ魔法使いのオバさんがやってくれるの!?」

まりな「・・・・オバ・・・・・」

まりなはその言葉に異常に反応し、ニコニコと笑いながらも真弥子に近寄って肩をガシッと握り、

まりな「あのね真弥子ちゃん。私は魔法使いのオバさんじゃなくておねぇさんなの、わかる?」

肩を握った手にドンドンと力が加わり、肩から鈍い音が聞こえてきます

真弥子「イタタタ、は、はいよ〜っくわかります、まりなおねぇさん☆」

肩の痛みに顔が引きつりながらも笑いながら『おねぇさん』という言葉を強調します

その強調に気をよくしたのか、まりなはパッと手を放して

まりな「よろしい。でも今度オバさんって言ったら助けてあげないからね」

ニッコリ笑いながら真弥子に忠告し、

真弥子「は、はい・・・・・・(こ、怖いわあの笑顔。下手に逆らわない方が身のためね)」

と、真弥子は本能的に自分を守る手段を導きました


真弥子「で、話は戻りますけどおねぇさんが私の家事を引き受けてくれるんですか?(まさかこの人にね〜)」

まりな「まさか、私魔法は使えても家事なんてまったくの専門外よ。未知の領域っていっていいわ」

胸をはっていうまりな

真弥子「・・・・・(やっぱり)」

まりな「でも私に任せておきなさい。ちょっとそこ空けてくれる?」

私に任せろというまりな、だが真弥子はちっとも信じていませんでした

しかし逆らうと怖いので真弥子はおとなしく言う事を聞き、場所を空けます

するとまりなはホウキを掲げてなにやら怪しい言葉を唱え出しました

まりな「まりなウルトラスーパーマジーーーーーック!!」

言いながらホウキを振り下ろすと、ホウキの先からボワッと煙が噴き出しました

真弥子「ゲホッ、ゲホッ、まりなさんこれはいったい・・・・・」

煙にまかれ真弥子は涙と咳が止まりません

文句の一つも言おうかとまりなの方を見ると人影が2つありました

一つはまりなだとわかったのですが、もう一つがわかりません

・・・「おいおいまりなくん〜、ま〜た私をコキ使う気かい?」

煙の先から男の声が聞こえてきました

まりな「そうよ本部長、まぁこれもあの娘のためだとおもってさ、ね☆」

本部長「まったくい〜っつもこれなんだから」

真弥子「まま、まりなさん、そ、その男の人はいったい!?」

やっと煙が晴れて視界がクリアーになると真弥子の目の前にはいつのまにか見知らぬ髭をはやした中年男が立っていました

まりな「ああこれ?これは私の魔法で作り出した私の使い魔よ。これならあなたの家事を全部やってくれるわ」

本部長「・・・・これ・・・・・・」

真弥子「ハ、ハァー」

なんだか信じれらないといった顔で見詰める真弥子

真弥子にはまだこの現実が飲み込めません

    ・・・・・・・・・・

しばらくしてやっと現実を認めた真弥子は

真弥子「すごぉーい、まりなさんてホントに魔法使いの・・・・・だったのね」

まりな「なによその・・・・・は。それにさっきからそうだって言ってるでしょ」

真弥子「だって全然信じられなかったんだもん」

まりな「あのねぇー、ま、代役も見つかったしさっそく舞踏会へいきますか!」

まりなは強引に真弥子の腕を取って駆け出そうとします

真弥子「あ〜〜〜〜、ちょっと、ちょっと待って!」

ズルズル引きずられながらも必死に真弥子は足でブレーキをかけますがなかなか止まりません

真弥子「わ、私舞踏会に着ていくドレスがないの・・・・」

引きずられながらもなんとか声を出したおかげでまりなはその行進を止めて、まじまじと真弥子の着ている服を眺めまわします

確かに真弥子の服装は掃除などをするための小汚い服装に、印象をマイナスにさせる眼鏡のために舞踏会に行くためのドレスとはほど遠いのです

まりな「確かにそれじゃー門前払いよね〜・・・・・・でも私にまっかせなさい!」

自身まんまんにこたえるまりな

果たしてその根拠はどこにあるのか?

まりな「 私が魔法で素敵なドレスをあっという間に仕立ててみせるわ」

その言葉に真弥子の表情が輝きます

真弥子「ホントに!?そんなこともできるの?」

まりな「トーゼン!で、どんなドレスがいいの?」

真弥子「え?どうって、ただ舞踏会に着ていけるような素敵なドレスで・・・・」

まりな「それだけ?・・・・あーもうっ、私に任せておきなさい」

言うとさっきのようにホウキを掲げ、怪しい呪文を唱えだしました

真弥子はまた煙に目と口がやられないよう目を閉じ、口をギュッと閉じ煙に備えます

まりな「・・・・・・・まりなウルトラスーパーマジーーーーーック!!」

    ボワンッ

振り下ろしたホウキの先から再び煙が噴き出し、ちょっと煙にむせるが、さっきよりはマシでした

そして徐々に煙が晴れてきた頃を見計らって目を見開く真弥子

本部長「ホォーーー」

まりな「どう真弥子ちゃん、気に入った?」

真弥子「どうって、まだ見てな・・・」

言って自分がどういうドレスを着ているのか気になって視線を自分の体に向けると・・・・

真弥子「!?」

まりな「ねぇ。どうどう真弥子ちゃん?」

真弥子「・・・・・・・・・・キャァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッーーーーーーーーー!!!!!」

この世ともおもえない叫び声が部屋中にこだました




続く


果たして真弥子は舞踏会へと行けるのか?
まだ出番のない小次郎王子は?





このお話はEVEのキャラクターを元にシンデレラの世界を描いております
一切の文句・苦情は受け付けません






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