EVE 世界名作劇場 〜 シンデレラ〜
キャスト
シンデレラ・・・御堂 真弥子
姉1・・・桂木 弥生
姉2・・・氷室 恭子
母・・・香川 美純
王様・・・桂木 源三郎
王子・・・天城 小次郎
従者A・・・二階堂
従者B・・・グレン
魔法使い・・・法条 まりな
使い魔・・・甲野 本部長
特別出演・・・桐野 杏子 & 江国 雄二
前回までのあらすじ
姉母達にいじめられているかわいそうな真弥子
そしてある日舞踏会が催されるが真弥子は一人でお留守番
そんな真弥子に邪な手、もとい愛の手を差し出す魔法使いのオバさん!
(ドガッ、バキッ!)
・・・・・・そ、そんな魔法使いのおねぇさまは真弥子のために舞踏会用の
素敵なドレスを魔法で仕立てようとしたのですが・・・・
真弥子「・・・・・・・・・・キャァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッーーーーーーーーー!!!!!」
この世ともおもえない叫び声が部屋中にこだました
まりな「どう真弥子ちゃん、気に入ってくれた?」
真弥子「き、気に入るわけないでしょ!なんなのよこのドレスは!!」
真弥子は怒っています
それもそのはず、まりなが魔法で仕立てたドレスはなんとも露出度が高く、過激だったのです
恥ずかしがりやの真弥子にはとても着れた物じゃありませんでした
まりな「へんねぇー、名付けて『セクシー貴族の殿方悩殺ドレス』っていうのよ」
真弥子「・・・・別に悩殺なんかしたくは」
まりな「したいでしょ?」
真弥子「・・・・・・・少しは・・・・・・・・ってなに言わせるのよ!」
もうすっかりまりなのペースにつられ、真弥子は顔が真っ赤です
真弥子「と、とにかくこんなドレスじゃ舞踏会になんか行けないわ。もっと普通のドレスにして下さい」
まりな「普通の?」
この時まりなは迷っていました
なぜならまりなには『普通』という概念を持っていないため、その意味を理解はできるのですが、真弥子の『普通』とはどういうものなのかわからないのです
危うし真弥子!一難去ってまた一難とはまさにこのこと!!
まりな「ま、まぁーその普通のドレスっていうのを仕立ててみるわね」
まりなは言うとホウキを掲げて怪しげな呪文を唱え、
まりな「・・・・・・・まりなウルトラスーパーマジーーーーーック!」
ボワンッ
すでにマンネリとなった儀式を終え、真弥子が目を見開き、予め用意してあった鏡に自身を写し出すと、
真弥子「!?」
まりな「・・・・ど、どう?」
まりなはちょっとワクワクしながら尋ねます
真弥子「・・・・・・素敵・・・・・・・これが私?」
真弥子はナルシーにも、鏡に映った自分の姿に酔いしれてしまったのです
つまりはそれほどまりなの『普通』がそれでもかなり派手めのドレスにもかかわらず真弥子には気に入られたのでした
さらには印象をマイナスにさせていた眼鏡もいつのまにかはずれ、髪の毛も○●人好みの金髪になっていました
まさに棚からぼた餅、災い転じて福と為すってやつです
真弥子「鏡よ鏡、この世で一番美しい女性はだ〜れ」
真弥子はあまりの美しさに酔いしれ、別の話に変えてしまったのでした
鏡「それは・・・・・・・・・・プリシア女王です」
鏡がいうと、そこにはプリシア女王が写し出されます
真弥子「な、なによこれ!私と同じ顔なのになんでこっちの方が美しいの?」
まりな「心の中も写し出されたんじゃない?」
まりなは聞こえないようにボソリとつぶやきます
真弥子「こうなったらまりなさん、毒リンゴをプリシアに食べさせて、彼女を抹殺して頂戴!」
真弥子はますます話を違う方向へと持っていこうとします
まりな「お、落ち着いて真弥子ちゃん、っね?真弥子ちゃんは舞踏会に行きたいんでしょ。早くしないと終っちゃうわよ」
真弥子「はっ、そうだったわ!こんなことしてる間に舞踏会に行かなくちゃ」
まりなの忠告でやっと本来の目的を真弥子は取り戻し、話はなんとか再び元に戻るのでした
(偉いぞまりな!)
まりな「さあ、このフェラーリGTOで舞踏会開場まで向かうわよ!」
真弥子「・・・・・・・・・・」
勢い込んで外に出ると、いつのまにか外にはかぼちゃの馬車ではなくフェラーリGTOが停めてありました
真弥子「なんで・・・・・なんでかぼちゃの馬車じゃないの?」
まりな「かぼちゃの馬車?だってださいし、野菜臭いし、なによりのろいんだもん。その点このフェラーリGTOは形よし、走ってよし、乗り心地よしの3拍子なのよ!つべこべ言わずに乗った乗った!」
真弥子「トホホホ」
ロマンチックの欠片もない車に乗せられ、舞踏会場へと出発した真弥子達でしたが、
途中真弥子は何度も悲鳴をあげていたのはいうまでもありません
・・・・・さて、舞踏会場ではすでにパーティーは始まっています
そこにはもちろん香川ママ、弥生姉、恭子姉の姿が見られます
パーティーを一望できるところにはこの国の王様 源三郎が実に満足そうに座っており、その隣りには小次郎王子も座っておりました
源三郎「どうだ小次郎、おまえの気に入った娘はいるか?」
小次郎「待ってくれオヤッさん。今探してるんだよ、なにしろよりどりみどりだろ〜」
目を血走らせて探す小次郎
グレン「へっへへへ、小次郎さん、あそこのポッチャリした娘さんはどうですか?」
従者のグレンが指を指して小次郎に教える
小次郎「あのな〜グレン、お前のタイプはオレとは違うとなんべん言ったらわかるんだ。なぁ、東海道?」
二階堂「こ、こ、こ、こ、小次郎・・・・・・・・様。私の名前は二階堂だとなんべんも申し上げております」
手を震わせながらも小次郎に『様』をつけて言う二階堂
このあたりが主従関係の辛さというところだろうか?
源三郎「どうじゃ小次郎、あそこの髪を後ろで結んでいるお嬢さんなんかは?」
二階堂「その隣りにいるロングヘアの娘もなかなかですよ」
二人が指差した方向には、弥生と恭子がいました
グレン「へっへへへ、その近くにいる眼鏡をかけたご婦人もよろしいかと思いますぜ小次郎さん」
そしてグレンが指差した方向には香川ママがいました
小次郎「・・・ああ〜グレン、もういい。もうお前は何も言うな。あんなに年食ってちゃー后というよりはオレの母親に見えてしまうわ!」
源三郎も二階堂もウンウンとうなずいています
グレン「へっへへへ、そうですか。こいつはいらぬおせっかいでしたね」
小次郎はさっそくパーティー会場へと出向き、弥生と恭子の元へと急ぎます
弥生「うむ、それにしても素晴らしいパーティーだな」
恭子「えぇ、これはなんとしても王子のハートを射止めて権力、財力を我が一家のものとしなければ」
香川「そうよあなたたち!我が一家の命運はあなた達にかかっているのよ」
あたりに聞こえるような大声で話すからたまったものじゃありません
当然それは小次郎王子の耳にも入り
小次郎「おい、北海道。あいつらはひょっとして危ない奴等なのか?」
二階堂「・・・・・こ、小次郎様。何度も申し上げる通り私の名前は二階堂です・・・・・・・・・・」
小次郎「そんなことはどうでもいい。オレの質問に答えんか!」
ゴンッ
小次郎王子は言う事をきかない二階堂の頭を殴ります
二階堂「・・・・は、はいすいませんでした(クソー、こんな話でなければ・・・・)」
二階堂「で、あの娘達ですか?・・・・・・確かに危険な奴等ですが質は高いと思います。あのどちらかを后に迎え入れれば小次郎様の株も上がるというもの。些少のことには目をつぶられては?」
小次郎「うむ、それもそうだな。で、問題はどちらにするかと言う事だが・・・・・」
ザワザワ
その時でした!
急にあたりがざわつき始めたのです
小次郎「な、なにごとだ!?」
小次郎と二階堂はあたりを見渡しますが何も見えません
グレン「へっへへへ、小次郎さん。あれですよ」
いつのまにか現われたのか、突然現われたグレンが指差す窓の外には爆走したフェラーリGTOが真っ直ぐに突っ込んできます
小次郎「おお!」
その光景に小次郎王子は何故か歓声をあげました
小次郎「あ、あれはまさしくフェラーリGTO!初めてこの目で見た」
そうです、小次郎王子は大のフェラーリ好きで、特にGTOには目がないのでした
二階堂「なにを言ってるんですか小次郎様!このままではあの車・・・・!?・・・・・ウワァァァァァァーーーーー!!」
ドガシャーンンン・・・・・・・・
フェラーリGTOはこともあろうに舞踏会場に突っ込んでしまいました
その光景に二階堂は唖然としながらも、すぐに気を取り直してフェラーリGTOに駆け寄ります
その中には小娘が一人乗っておりました
もちろんその小娘とは真弥子です
真弥子「ウ〜ン・・・・・・ま、まりなさんなんて運転をして・・・・・・・」
二階堂「おい君!降りたまえ。まったくなんてことをしてくれたんだ、これでは舞踏会が台無しだ!!」
駆け寄った二階堂がフェラーリGTOの扉を開けて真弥子に怒鳴ります
真弥子「わ、私が運転したんじゃありません」
二階堂「嘘をつくな!君しか車の中にはいないじゃないか」
真弥子「え!?」
言われて隣りを見るとさっきまで運転していたはずのまりなは消えていました
真弥子「(あ、あの、オバさん・・・・・に、逃げたわねぇー)」
真弥子は拳を握り締めながら怒りでプルプルと震えだします
二階堂「さぁ、早く降りるんだ」
そんなことはお構い無しに二階堂は真弥子に車を降りることを強要します
それに促されしぶしぶ車から降りる真弥子
ザワザワ
フェラーリGTOから降りた真弥子の派手なドレスと、そして真弥子の若さからの美しさに皆は再びざわめき始めました
小次郎「おお!」
小次郎王子も歓声をあげます
その歓声を近くで聞いていた弥生と恭子はカチンと頭に来て真弥子の方を睨みます
弥生「フン、なんだあんな派手なドレスなど着て。男どもの気を引こうとしてるのが見え見えじゃないか」
しかし自分も派手なドレスを着て小次郎王子の気を引こうとしていたために説得力がありません
恭子「少しぐらい若いからっていい気になるんじゃないわよ」
こちらは年齢を誤魔化しているために、心の底からの嫉妬心で毒舌を吐き出します
しかしこの二人には、真弥子があまりに美しくなっているために妹の真弥子だとは気付きません
恋は人を盲目にさせる(?)
そんなこんなで舞踏会場は大騒ぎ
そんな中真弥子は小次郎王子と目が合ってしまいもう顔が恥ずかしさから真っ赤です
二階堂「さあ早くこっちへくるんだ!」
そんなことはお構い無しに従者の二階堂はグイグイ真弥子の腕を引っ張ります
真弥子「やだ、ちょっと、イタ・・・・・痛いって言ってるでしょ!」
バキッ!
まりなへの怒りと、小次郎王子への羞恥心、それらに加えて二階堂のこの行動に真弥子は我を忘れて二階堂を殴り飛ばしてしまったのでした
二階堂「グハァー!」
しかも殴った勢いがものすごく、二階堂はまっすぐに吹っ飛び、そのままお約束にも小次郎王子にぶつかってしまったのでした
小次郎「アイタタタタ」
小次郎は何とか二階堂を押しのけて立ち上がると、真弥子はそれを契機にまた違う窓を蹴破って逃げ出しました
小次郎「アッ、おい待て!」
小次郎は慌ててその窓から外に出ますが、真弥子の姿は影も形もありません
小次郎「・・・・・・すごい逃げ足の速さだな・・・・」
小次郎は真弥子の逃げ足の速さに素直に感服します
その時目の前でなにかが光りました
小次郎は疑問に思ってそれを拾い上げると、それは靴でした
小次郎「靴?それもガラスの・・・・・・」
小次郎は拾ったガラスの靴を見詰めながら何かを考えています
小次郎「おい、グレン」
グレン「へっへへへ、なんでしょう小次郎さん」
小次郎「決めたぞ、あの小娘を我が后として迎え入れる」
グレン「へっへへへ、小次郎さんがそっちの趣味だとは思いませんでしたぜ」
弥生・恭子「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーー!!!」