EVE 世界名作劇場 〜 シンデレラ〜
キャスト
シンデレラ・・・御堂 真弥子
姉1・・・桂木 弥生
姉2・・・氷室 恭子
母・・・香川 美純
王様・・・桂木 源三郎
王子・・・天城 小次郎
従者A・・・二階堂 進
従者B・・・グレン
魔法使い・・・法条 まりな
使い魔・・・甲野 本部長
特別出演・・・桐野 杏子 & 江国 雄二
前回までのあらすじ
無事に(?)舞踏会場へとたどり着いた真弥子
しかしそこで醜態を見せ会場を後にする
それを追いかけた小次郎王子は彼女の靴とおもわれるものを拾う
そして真弥子を后にするとの爆弾発言
正義と愛の感動巨編ついに完結!(笑)
小次郎王子が真弥子を后にすると宣言した頃、魔法使いのオバさん・・・・・・もといお姉さんまりなは舞踏会場の屋根に一人腰掛けていました
まりな「あらあら?真弥子ちゃんたらなんだかんだいって結局小次郎王子のハートを掴んじゃったのね☆」
まりな「これは明日が面白くなりそうだわ」
などと一人で盛り上がっておりました
・・・・・・そして翌日
ガヤガヤ ワイワイ
街の掲示版には告知が書かれておりました
『本日従者が家々を廻るので、ちゃんと出迎えるように 小次郎王子』
町人A「なんだこりゃ?」
町人B「なんで従者が俺たちの家を廻るんだ?」
町人C「なんでも昨夜の舞踏会で小次郎王子が爆弾発言をしたらしいぜ」
町人A[爆弾発言!?」
町人B「またか?今度は一体なんだ?」
町人G「なんでも昨夜の舞踏会に突然突っ込んできた女を王子の后にするんだとよ」
町人K「本当か!?」
町人RX-78「どうやら本当らしいぜ、今日もうディーブさんのお宅に従者がおみえになったらしい」
水陸両用町人「で、なにを従者はしてったんだ?」
町人改「なんでもその女が落としていった靴が合うかを試みているようだ」
なんとなく町人「靴が合うか!?」
・・・・・・・・などとあっという間に町中に噂は広がり、ついにはその噂は真弥子の家にまでやってきました
弥生「おい、恭子聞いたか?」
恭子「なにを!?」
弥生「昨夜乱入した女、どうやら指名手配されたらしいぞ!」
ガシャーンッ
それを耳にした真弥子は持っていたお皿を落としてしまいました
香川「ちょっと、真弥子さん!なにしてるの!!早く片づけなさい」
真弥子「は、はい・・・・・・(どうしよう、昨日のことでまさか指名手配されるなんて・・・)」
真弥子「(ああ〜もう世間様には顔向けできない・・・・・いっそのこと高飛びでもしようかしら?)」
真弥子「(それにしてもたかが会場に突っ込んだり、小次郎王子に粗相を働いたくらいで指名手配されるなんて・・・・・・)」
まやこ「(ああ〜もう私は終りなんだわーーーーーー!!)」
と、真実を知らない真弥子は一人苦悩しておりました
それにしても后候補を探しているという噂がどこでどうねじれて真弥子が指名手配されたなどという噂に変わってしまったのか?
それにはある人物がからんでおりました・・・・
その頃
二階堂「はい、次の方」
従者二階堂は小次郎王子の命令でガラスの靴を持って一人で一件一件家々をまわっておりました
二階堂「まったくなんでこの僕がこんな羽目に・・・・・・・・・・」
従者二階堂も一人苦悩しておりました
そして話は再び急展開を迎えて真弥子の家に戻ります
恭子「ちょっと弥生!なにが指名手配されたよ!!小次郎王子はやっぱり昨日の女を后候補として探しているようよ」
弥生「なんだって!?」
弥生「だが私が得た情報では・・・・・・・・・」
恭子「いったいどこからそんな噂が流れたのよ?」
弥生「10軒先を右に曲がってそこから100m先を更に左に曲がって角のタバコ屋を更に1kmいったところからだが?」
恭子「・・・・・・・・・・・・・・・」
弥生「しかしどこでどう噂が捻じ曲がってしまったのだ?それより恭子はどうやってその情報を知ったんだ?」
恭子「さっきお城のデータバンクにハッキングを仕掛けて、そこから得た情報よ」
弥生「さすがは“ハッカー氷室”と呼ばれただけはあるな」
恭子「あなたに言われるとなぜか無性に腹がたつわ」
弥生「???」
恭子「とにかく小次郎王子の従者がその女が身につけていたガラスの靴というのを持ってまわっていて、その靴が収まった女が后になれるそうよ」
弥生「ということは!?」
恭子「えぇ〜、私達のどちらかが無理矢理にでもその靴が収まれば!!」
弥生「小次郎王子の后になれ!」
恭子「権力・財力を手中にできるというわけよ!!」
弥生「こうしてはいられないぞ恭子!!」
恭子「ええ!他の誰かがその靴にピッタリと合う前にその従者を見つけなければ!!」
弥生と恭子は急いで家を飛び出し、従者の二階堂を探しに出かけました
一方そのことを居間に盗聴機を仕掛けて聞いていた真弥子は・・・・
真弥子「・・・・・・・・私が小次郎王子の后に!?」
真弥子「うれしい・・・・・・・・・(ハッ)こうしちゃいられないわ!馬鹿姉どもが従者を見つける前に私が従者を見つけなくちゃ!!」
こうして真弥子も従者二階堂を探しに家を飛び出して行きました・・・・
そして当の本人、従者二階堂は未だに家々をまわってガラスの靴が合う女性を探しておりました
二階堂「・・・・・ハァー・・・・ここも違う・・・・・・でも何だってこの靴があう女性が一人もいないんだ???」
従者二階堂は不思議に思っていました
一見はただガラスでできた靴で、ありふれたサイズ
少なくとも10人入歯2、3人は合いそうなのに今のところ158人中0(ゼロ)という数字なのである
そんな光景を空から見ている女性が一人おりました
まりな「うふふ、それはね私の魔法で真弥子ちゃんのDNAにしか反応しないようになってるからよ☆」
まりな「あ〜、されにしても真弥子ちゃんたらの家にはいつになったら行くのかしら?いいかげんこの従者を見ているのにも飽きてきたわ」
もう魔法使いまりなは野次馬根性120%で、たんなる好奇心から見物しているのでした
コンコン
二階堂「ゴメン下さい」
従者二階堂は159人目の被験者宅へと向かうと、扉をノックして家の人が出てくるのを待っています
・・・「は〜い・・・・・・・・・あの〜どちら様ですか?」
二階堂「あれ、聞いていませんか?私は『桂木探偵所期待のホープ』、じゃなくて、城の従者で二階堂というものです」
・・・「ハァー・・・・・・」
二階堂「それで告知してあるようにこのガラスの靴がアナタ様に合うかどうかを確認のために試して頂きたいのですが?」
・・・「その靴が私に合うとどうなるんですか?」
二階堂「大変残念、いえいえ、幸運にもこの国の王子小次郎様の后となれることができるのです」
・・・「ああ〜、あの告知のことですか?でも私結婚してますけど・・・・・・・あれ?でも確かその告知って昨夜の舞踏会場に乱入した賊を捕まえるための手配じゃなかったんですか?」
二階堂「???どこからそんな噂が出回ったんですか?告知は小次郎王子の后を選ぶためのものですが?」
・・・「えっと・・・・・・・誰だったかしら?」
・・・「杏子お前だよ!」
二階堂が話している女性の背後からいつのまにか現われたのか、まだ若い男が現われました
杏子「ひっどーい、雄二くん、私そんなこと言ってないわよ!」
杏子と呼ばれた女性は激しく反発します
雄二「だってお前さっき帰ってくるなり近所中に言いふらしてたじゃないか。家の中にまで聞こえてきたぜ」
杏子「えっと〜・・・・・・・・・・・・・・そうだったかしら?・・・・・・エヘッ」
雄二「あのな〜笑ってごまかすなよな・・・・・・」
従者の二階堂はそのやりとりに唖然としています
二階堂「・・・・・弟さんですか?」
杏子「え?主人ですけど!?」
二階堂が驚愕している一方で真弥子は・・・・・・・・・
真弥子「あーん、もう!城の従者っていうのは一体どこにいるのよ!!」
未だに、見つからない従者に苛立ちを覚えます
そのときふと空を見上げると何かが浮かんでいました
真弥子「何かしらあれ!?・・・・・・・・・・・・・・・あーーーーーーー!!」
真弥子が見つけたもの、それは昨夜舞踏会場へ突っ込んだあげく一人だけ逃げ出していた魔法使いのまりなだったのです
真弥子はなるべく近くによってあたりになにかないかを探します
そして近くにあった手ごろな石を掴むと、そのまままりなに向かって投げつけました(良い子は真似しちゃいけませんよ☆)
カーーーン
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーン
ガッシャーーーーーーーーーン
石は見事に命中し、魔法使いのまりなはそのまままっさかさまに下にある家に落ちてしまったのです
まりな「アイタタタタタタ・・・・・一体なにが起こったの?」
まりなは屋根がクッションになったおかげで大怪我をしなくては済みましたが、おかげでその家は大損害です
杏子「ア・・・・アアアアアアア!!私の家がぁぁ〜〜〜〜・・・・・・」
杏子は屋根が壊されそこから見える空を見上げながら絶叫します
二階堂「き、き、き、きさまは何だ!・・・・・・ハハーンさては泥棒だな?」
まりな「失礼ね、こんなに美しい泥棒がどこの世界にいるっていうのよ!」
雄二「美しさは関係ないと思うけど(ボソッ)」
まりな「聞こえてるわよ(ギロッ)」
バタンッ
突然屋根からやってきた(落ちてきた)珍客に加え、今度は玄関から真弥子が入ってきます
真弥子「見つけたわよ、まりなさん!昨夜はよくも私をおいて逃げてくれたわね!!」
まりな「あら〜・・・・・・えっと〜何のことかしら?」
ゴンッ
真弥子「ぶつわよ」
まりな「もうぶってるじゃない、なんだか真弥子ちゃん人が変わったみたいよ」
真弥子「とにかく、昨夜はまりなさんのせいで舞踏会場に車で突っ込むなんていう大惨事を起こしたんですからね」
まりな「まーまー、若いんだからそんなに目くじらたてないでよ」
真弥子「ハァ〜、まりなさんと出会ってから人生苦労の連続だわ・・・・・・・・・」
まりな「若いんだからそのぐらい経験はしとかないとね☆」
真弥子「もう、どうでもいいわ・・・・・・・・それよりここはどこなの?」
改めて自分の現状を把握すると、真弥子は自分がどこにいるのか分からないことに気がつきました
杏子「どこなのじゃないでしょ!ここは私と雄二くんの家よ!!一体あなた達はなんなのよ!!次から次へと」
二階堂「ですから私は城の従者でガラスの靴の合う女性を探して」
まりな「私は魔法使いのお姉さんよ☆」
真弥子「あ、私は真弥子といいます」
杏子「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
その一方で小次郎王子は従者の二階堂だけには任せておけず、従者のグレンも引き連れて昨夜の后候補を探しておりました
小次郎「おいグレン、山陽道のアホはいいかげん見つけたのか?」
グレン「へっへへへ、小次郎さん。山陽道じゃなくて二階堂ですぜ」
小次郎「あいつの名前なんかどうでもいい!」
グレン「こいつは要らぬおせっかいを・・・・まだ見つけたという報告は入っていません」
小次郎「いったいあの娘はどこにいるんだ?」
小次郎がガラにもなく哀しんでいると、遠くからものすごい物音が聞こえてきました
そう、さっきまりなが真弥子に石を投げつけられ杏子の家に落ちていった時の音です
小次郎「やや!?あの物音は一体なんだ?いくぞグレン!」
グレン「へっへへへ、小次郎さんも結構野次馬根性旺盛ですね」
こうして小次郎王子とグレンも杏子宅へ時間差ながら向かっておりました
そのまた一方ではやはり物音を聞いた恭子と弥生もまた・・・・・
恭子「なんなのあの物音は!?」
弥生「はっ!?まさかガラスの靴が合った女がいたんじゃ?」
恭子「!?」
弥生「こうしてはいられん、行くぞ恭子!!」
やはり弥生と恭子も杏子宅へと向かうのでした