Intermission



-エルディア-


砂漠の中に浮かぶ十字架

ここはエルディアの郊外にある墓地

そこには無数の墓が並んでいる

そこに一人の男がたたずんでいる

男は一つの墓石の前にたたずむ


「……すでに4年近くが経過した……」

「前国王の暴走……全てはそれが始まりであった」

「いつまでもその権力を保持していたいという欲望…それがそもそものことの発端」

「前国王はその欲望を満たすためだけにのみ邁進し禁断の領域に触れてしまった」

「我々……人間は神によって造られた…」

「だが国王は自らが神にでもなろうとしたのか……人間の手で新たなる人を造ろうとした」

「……それがコードネームEVE…いや、御堂真弥子」

「だがその暴走にも終止符が打たれた」

「ロイド首相と御堂の政治改革」

「二人の思惑は違えども王政という悪しきシステムは滅び、我が国の政治も変わった…」

「そして悪しき為政者から、今のプリシア女王」

「日本での玉璽争奪戦……彼女はそれに巻きこまれた…いや、自分からその運命に飛びこんで行った…」

「その渦中であなたは命を落とした……だが目的であったプリシア女王の即位は達成された」

「さらにあの忌まわしきLost One事件……それを経て……」

「彼女は御強くなられた……あの時のあなたのように…」


男の目の前の墓石

その墓石には”シリア”と刻まれている


「シリアさん、あの時のあなたは強かった。二重スパイという困難な任務を達成し……最後には王女の護衛」

「そしてあなたが去り際にその任務を私に託していった…」

「そして……」

「…シリアさん、あなたが父上の桂木と共に亡くなってから」

「(フッ)あれほど……口に出すほど忌み嫌っていたはずなのに、最後は父上と一緒にとは」

「……あなたが父上と共に亡くなった……これもアラーの神の思し召しだったのだろうか?」

「………」

「…………」

「きっとあなたの二重スパイという過酷な任務を果たしたことへの配慮であったと信じましょう」

「そして私も……」


そうつぶやくと男の表情は苦痛で歪む


「私は……クッ…」


男の足元を見ると、そこはすでに砂漠の土の色が赤く染まっていた


「私はあなとのようには残念ながらいきませんでしたよ」

「あなたが私との別れ際に言い残した頼み事……」

「……未だこの国に巣くっている情報部の動向を探る」

「だが私には荷が重すぎた……あなたや私が考えていた以上に情報部の残党は……」

「そして未だに続いているあの研究……」

「忌まわしきあのプロジェクト・ネクストを止める事はかなわなかった」

「……それだけが私の心残りです…」

「……だが…」

「…だがヤツを無事に送り出せたことがせめてもの救いか…」


男は静かに空を見上げる

砂漠の空は見渡す限りどこまでも青かった


    (ジャリッ)


男の背後から足音が響く

それは当然男の耳にも入る


「……どうやら私にもお迎えが来てしまったようだ…うまいことそちらで会えたら私を叱ってやってください」


男はゆっくりと振り向く

そして…


「……遅かったな、ファースト」


男は笑いながらそう言い放つ

次の瞬間、砂漠に銃声が響き渡った





to be continued


後書き

ひゃっほう!EVE約8ヶ月ぶりに執筆!
しかもなんだかわかんない展開になってるし(笑)
これからはちょくちょく書いて行きたいおもうんでよろしく!

2000年11月12日


ついに-Endless Rhapsody-も再開決定!
私の出番もこの次回予告だけじゃなくてこれからバシバシ活躍するハズよ
さ〜次回は杏子編!
…2nd day の始まりは杏子編からなのね…
まぁ〜なにはともあれ
読まないと1919ぶっ放しちゃうわよ♪


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