小次郎編V




13:30


小次郎「さて、まずはどこへ行くんだ?」

まりな「そうね〜… まずは杏子の持っている情報が欲しいわ」

小次郎「桐野の?」

まりな「ええ。 あの子あれで結構重要な情報を知ってたりするのよね」

小次郎「本人が知ってか知らずに…か?」

まりな「そうゆうこと」






13:47 −桐野杏子宅前−


小次郎「……」

まりな「………」

小次郎「……」

まりな「……」

小次郎「な、なぁ……」

まりな「な…なに?」

小次郎「本当に……ここがあいつの家なのか?」

まりな「言わないで……私もわからなくなってきたから……」

小次郎「あいつの部屋が……無くなってるじゃないか」

まりな「ええ、そうね。 ご丁寧に杏子の部屋だけが吹き飛ばされてるし」

小次郎「……」

まりな「って、呆けてる場合じゃないわよ小次郎!」

小次郎「お…お前が言えたことか」

まりな「杏子の家が爆破されてる…… ってことはあの子は今」


法条の顔は蒼白だ

まぁ無理もないな……あいつ(杏子)はまりなにとっては可愛い教え子だもんな


小次郎「(……法条の愛情表現は迷惑この上ないけどな)」

まりな「……なに考えてるのよ。 どうせ私の悪口でも考えてたんでしょ」

小次郎「い…いや別に」

小次郎「(こいつは人の心を読めるのか!)」

小次郎「と…とにかく桐野の身に何かあったのは確かだ。 まずはそれを確かめなくちゃならん」

まりな「そうね… ここは本部長に…と言いたいところだけど、捜査官じゃない私に教えてくれるはずもないだろうし」

小次郎「と、なると桐野を除けば……一人しかいないな」

まりな「そうね…」















14:25 -プリンセスアベニュー・ショットバー-


まりな「あっ、来たわね。 こっちこっち!!」

水見「……」

小次郎「(水見のヤツ…… よっぽど法条に会いたくなかったんだろうな。 愛想笑いが見え見えだ)」

まりな「久しぶりね葵」

水見「お…お久しぶりです法条教官」

まりな「聴いたわよ。あんたも今度の事件を担当してたんですってね」

水見「え、ええ……まぁ」

まりな「あら?」

水見「な…なんですか!?」

まりな「あんたちょっと胸大きくなったんじゃないの?」

    (サワサワ)

小次郎「ブッ」

水見「な…なななな…… 何するんですか!!」

まりな「いや〜ね〜、冗談よ、冗談。久々に会った教え子とのスキンシップを取ろうとしてるんじゃない♪」

水見「迷惑なのでやめてください!」

まりな「ええぇ〜!! 
……楽しいのに(ボソッ)

水見「迷惑です!!」

まりな「シクシク……これが私なりのコミュニケーションの取り方なのに」

水見「嘘をつかないでください、嘘を! それにその嘘泣きもやめてください」

まりな「あら、ばれてた?」

水見「……」

小次郎「……」

小次郎「(は、話に加わるきっかけがないな…)」

まりな「それにしても本当に久しぶりよね」

水見「え、ええ。 法条教官はアメリカで研修だったとか」

まりな「そっ。でもまぁ今回の事件が気になっちゃったから帰ってきちゃったけど。 これ、まだ本部長には内緒ね♪」

小次郎「(……)」

水見「……」

まりな「それと あなたが捜査官になってからの成績を聞いたけど 任務達成率が90%を超えてたわね」

水見「いえ、まだそんなに数をこなしていませんし……それに私の目標は更に上にあります」

小次郎「(上?)」

まりな「杏子と違って頼もしい台詞ね。 でもまっ、あんたってば私の教え子だったとき優秀は優秀だったから心配はしてなかったけどね」

水見「……なんです、その歯切れの悪い言葉は」

まりな「ほらっ、あなたってその……妙にプライドが高いところがあるじゃない?」

水見「わ、私がですか?」

まりな「そっ、だから肩肘はってるっていうかなんていうか……」

水見「……」

まりな「あ、別にけなしてるわけじゃないのよ。 あなたが優秀なのはわかってるから」

水見「……どうも」

小次郎「なぁ、おい……」

まりな「あら小次郎… いたの、気付かなかったわ?」

水見「あら、天城さん」

小次郎「うぐっ お…お前らマジで忘れてたな」

小次郎「(俺様が主役だっての最近忘れてないかコイツら?)」

小次郎「ま、まぁともかく… 水見との電話で桐野も無事だとわかったし、その桐野も昨夜は爆弾を使ったテロに巻き込まれたわけだ。その被害は最小限にとどめられているというのが不思議なことだけどな。そして狙われた桐野はこの事件から外されたため、これからのことも含めて水見とこうしてバーで会っているわけだな」

まりな「なんなの小次郎……その説明口調は?」

小次郎「いやな。 いきなり法条と水見の再会シーンでわからない読者が多いだろうな〜と」

まりな「単に出番が欲しかっただけじゃないの?」

小次郎「(ぎくっ)」

水見「……そうなの?」

小次郎「ば、バカだな〜。そ…そんなことあるわけないじゃないかこの俺様に限って」

まりな「まぁ〜いいわ。あなたに付き合ってたらページの……いえ、時間の無駄だもん」

水見「…納得」

小次郎「うぐっ」

まりな「さ、それじゃあ葵。 とりあえず現在までにわかっていることを教えて頂戴」

水見「あ、はい。 狙われた杏子の玄関に開けると手榴弾のピンが抜かれる細工が施してあったようです。警察がその細工に使われたとみられるワイヤーを発見しています」

まりな「ってことは……杏子は襲われたというわけじゃないのね?」

水見「はい、杏子の家にあらかじめ罠を仕掛け、後は杏子がその罠に……」

まりな「これって……ちょっとやばい状況ね」

水見「そうですね……」

小次郎「ん? なにがだ?」

まりな「そっか、小次郎にはわからないかもね。 いい、杏子は自宅に罠を仕掛けられて襲われたのよ」

小次郎「ああ、確かに桐野は昨日の昼間にも狙撃されたと聞いている。それで“やばい”と?」

まりな「そうじゃないの。 いったい犯人はどうやって杏子の家を探しだしたかよ」

小次郎「?」

水見「私達の住所は本来セーフティーハウスと呼ばれ、その住所は一般には知られないようになってるし、調べにくいようにされているんです」

まりな「そっ、市役所や電話帳なんかじゃあ100年かかったってみつかりっこないのよ」

小次郎「それが罠を仕掛けられて襲われたってことは……」

水見「犯人はよほどの情報収集力を持っていることになりますね」

まりな「もしくわ犯人にそれを教えたものがいるかよ」

水見「きょ、教官!! それは私達の身内に内通者が …という意味ですか?」

小次郎「考えたたくはないだろうが可能性はあるな」

水見「そんな! 私達の中にそんな人物がいるはずありません」

小次郎「どうかな。 内調の捜査官といったって所詮は一人の人間、決して聖人君子ってわけじゃないんだぜ」

まりな「ええ。 それに残念ながらついこの間も一人いたしね……」

水見「!!」

小次郎「(水見の表情が変わった。 だがその人物なら俺も知っている…)」

まりな「でも誤解しないでね葵。 これはあくまでも可能性の話なのよ…あなたが信じるとおり私達の中に犯人と通じている人間がいると決まったわけじゃないの」

小次郎「(だが話を聴くとその可能性が高いんだよな〜)」

水見「……」

まりな「それで昨日までは杏子とどこまで調べてたの?」

水見「あっ、昨日は天城さんと別れてから桂木探偵事務所という所へ行って……」

小次郎「!?」

まりな「それって……弥生の?」

水見「あ、はい。 その……天城さんからテラーに関する情報を……」

まりな「なんですって!! 小次郎、あなたまさかこの子達に!!」

小次郎「ああ、話たぜ。もっとも知ってるのは桐野と水見だけだがな」

まりな「そう……あなたが話したというのならそれなりの覚悟と考えがあったと判断していいのね」

小次郎「助かる。 だが水見、お前らが弥生の所へ行ったと言うのは俺も初めて知った」

水見「そこを訪れたのは桂木源三郎の娘を一目見ようという考えからでした」

まりな「で、弥生とは会えたの?」

水見「いえ、所要で出かけていたのか留守でした」

まりな「所要?」

水見「いえ、それが……昼前にこの名詞の人物と出かけて行ったきり連絡がないそうなんです」

小次郎「連絡がない?」

小次郎「(俺は弥生とおやっさんの墓参りのときに会った。 だがあれは昼の時間だ、桐野達が俺と別れてから弥生のところに行ったのなら当然弥生も帰っていていい時間帯だ)」

まりな「アギブ・川口……日系人ね。 勤務先はシャルケ商事」

小次郎「なんだと!!」

まりな「ど…どうしたたのよいきなり?」

小次郎「そのシャルケ商事って会社……ネオ・ナチの日本での活動拠点だ」

まりな「!!」





………… to be continued




まりな「またしても今回色付けがないわね」

小次郎「ああ、おかげで作者はばつが悪いらしくてこの座談会にすら出てこないな」

まりな「ってことは…ここには私とあなたの2人きり!?」

小次郎「……不本意だがそうなるな」

まりな「じゃあここで率直に聞くけど…あんたの本命って弥生? それとも氷室さん?」

小次郎「な!! いきなりなんでそっちに話が飛ぶんだよ」

まりな「あら、読者にとっては小次郎がどっちを選ぶのか未だにいろんな説が出てるのよ」

小次郎「……ひ、人の恋路を邪魔するヤツはなんとやらっていうぜ」

まりな「でも人の口は何とやら…とも言うでしょ♪」

小次郎「っていうかお前が知りたいだけなんじゃないのか、面白がって!」

まりな「(ギクッ)そ…そんなことないわよ、やーねぇー」

小次郎「……」

まりな「で、どうなのよ実際のところは」

小次郎「そ、そりゃー弥生とは同棲までした仲だし、何よりあいつを放っておけないってのが〜…」

まりな「じゃあ弥生なのね!?」

小次郎「いや、氷室もな ……こうして一緒に仕事してると頼りになるパートナーであって、しかもあいつにも放っておけないところがあるんだよな〜」

まりな「じゃあ氷室さんなの?」

小次郎「う〜〜〜〜ん」

まりな「あっきれた、そういうのを世間じゃ二股って言うのよ」

小次郎「ぐっ ……わ〜ってるよそんなのは! だけどな、じゃあこっちにしようなんて決められないだろ?」

まりな「そりゃ〜まぁ……」

小次郎「ってわけでだ、俺様は俺様の思ったとおりのことをしようと」

弥生「ほ〜、思ったとおりのな」

氷室「ふ〜ん、そうなの小次郎」

小次郎「どわわっ! 弥生に氷室……どうしてお前らが!」

氷室「だって……ここ事務所の中じゃん」

小次郎「はっ そ、そういえば…」

まりな「あら? じゃあなんで弥生は」

弥生「う”っ」

小次郎「そうだ なんで弥生がここに?」

弥生「う、うるさい! そんなのどうだっていいだろ」

まりな「あらあら、まさか小次郎に会いに来たとか〜?」

氷室「!!」

弥生「ばっ そ、そんなのじゃ… ただ……」

小次郎「ただ?」

弥生「私の出番がないんだーーーーーーーーーー!!」

プリン「ちゃんちゃん♪」


小次郎はまりなと共に行動を起こす
だが同時にネオ・ナチも動き出す
気になるテラーの正体、そしてネオ・ナチの目的とは!?
次回 テラー編T!

次も読まないと1919ぶっ放しちゃうわよ♪




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EVE Endless Rhapsody