−PM 3:11−
小次郎次郎「それがなんで俺や法条の方が詳しいんだ?」
杏子「あ、それはこの写真を見せれば分かると本部長が」
慌ててもう杏子は一枚の写真を手渡す
杏子「それは犯行現場に残されていた凶器の写真なんです」
小次郎「!?」
小次郎「(これはまさか……)」
杏子「?」
小次郎「…・・(しかしもうあれは存在しないは…・・いや俺は別にそれを確認したわけじゃない。だが…・・そうだな、こいつはとりあえず確認が必要だ)」
杏子「………」
氷室「………」
杏子も氷室も口を閉ざして俺様を見つめているな・・・本来ならここで一発かましたいところだが止めておこう
小次郎「(となれば)……桐野」
杏子「はい」
小次郎「悪いことは言わん。お前は手をひいて他のやつにこの件を任せるんだ」
そう桐野ではこの件はやばすぎる。なんたってあの法条や俺でさえ死にかけたんだからな
正直言って目の前に座っているこいつじゃあ荷が重い
杏子「…それは私ではこの事件は私には荷が重いということでしょうか?」
小次郎「…酷なようだがそうだ(こいつがこんな言葉で引き下がるとはおもえんが)」
杏子「!?」
氷室「ちょっと小次郎、その凶器がいったいなんだって言うのよ」
氷室もたまらず口を挟む。そういや氷室も詳しくは知らなかったっけ
小次郎「悪いが調べたいことがある。氷室俺は先に出るから後は頼む」
氷室「ちょ、ちょっと、小次郎!」
俺はじっと見詰める桐野をそこに残して席を立った。
カラ〜ン、カラ〜ン
店員「ありがとうございました。またのお越しをお待ちしておりやす」
店を出るとまだ日は高くとりあえず……何をするかって?こうゆうときはまず情報収集がメインなんだぜ
なにかをするにもまずは情報からっていうのが重要だ
氷室「ちょっと小次郎!」
小次郎「ん?氷室か。悪いが俺は行くところがある」
氷室「いったいどうしたっていうのよ?あの写真を見てからあなたちょっと変よ。いったいあの凶器のナイフがなんだっていうの?」
小次郎「そいつを確かめるために俺はちょっとでかけてくるからお前はまだ桐野と話しがあるだろうから、終ったら事務所に戻っていてくれ」
小次郎「そこで話せることは話す」
氷室「そんなにやばそうなの?」
小次郎「わからん」
氷室「………」
氷室「…あのね、だったらそんなに胸を張って言わないでよ」
小次郎「いや、わからんというのは情報がないからはっきりと断言できないだけなんだが、こいつはヤバイというのは感じられる」
氷室「…それってつまり」
小次郎「うむ、勘だ」
氷室「あのね〜 ………って小次郎は勘を結構重要視するんだったわね」
小次郎「よくわかってるじゃないか」
氷室「はん、あなたと3年以上も仕事をしていればあなたの次の台詞だってわかるわよ」
小次郎「ほ〜う、そいつはぜひ聞きたいものだな」
氷室「『勘ていうのは経験に基づいた立派な才能だ!』でしょ?」
小次郎「いや」
氷室「えっ?」
小次郎「俺の次の台詞はこうだ」
小次郎「ズバリ! お前の今日のパンツの色は…」
メリッ
氷室「まったくあなたって人は…・」
小次郎「(氷室は肩をワナワナとさせている、つまり怒っているな)」
小次郎「ハガガガ、ま、待て、冗談だ冗談(いつもおもうが相変わらず腰が入ったいいやつを放つな)」
氷室「こんな時に冗談言うなんて、まったくあなたって人は」
小次郎「(ヤバイ、こいつはまじで怒ってるぞ…・)」
氷室「もう勝手にしな!」
言い終えると氷室はそのまま小次郎に背を向けて店の方へ行ってしまった
小次郎「(イテテテ)まったくそんなに怒るような冗談か?」
小次郎「(これが弥生だったら……あいつも氷室と同じことを、いやそれ以上のことをおそらくするだろうな)」
小次郎「しかしあいつとももう3年……つまりあの出来事から3年、いやもうじき4年経つのか……」
………
真弥子「笑って…」
法条「真弥子ちゃん!」
小次郎「真弥子!?」
プリシア「真弥子さん!」
真弥子「私…最後まで笑っていたい…」
真弥子「笑って幸せになりたい…」
真弥子「私…ちっとも不幸じゃないわ…
真弥子「だって…私はここにいたわ…いたの…」
法条「真弥子ちゃん!」
小次郎「真弥子!?」
プリシア「真弥子さん、あなたも早く!」
真弥子「…もう…よく目が見えない…」
真弥子「…みんないる?耳も聞こえないの」
真弥子「だけど聞いて…みんな必ず助かっていつか笑いながら私のことを思い出して」
真弥子「そうしたら多分私…わたし……」
法条「真弥子ちゃん!」
小次郎「真弥子!?」
プリシア「真弥子さん!」
………
小次郎「(クッ、今更ながらにあの時何もできなかった自分が嫌になってくる…)」
小次郎「(あの時俺が怪我さえしてなければ…いや後悔するのはよそうぜ)」
小次郎「(後悔したって前に進めるわけじゃない…過去を悔やむぐらいだったら前に進む、それこそがでこそアイツの…真弥子の…)」
小次郎「(……『笑ってよ』か。真弥子はこの前目覚めたが、今ではまたエルディア王宮の生命維持装置の中で眠っている)」
小次郎「(いつ目覚めるとも知れない眠り…・)」
小次郎「(…はたして真弥子は幸せだったのだろうか?)」
小次郎「(しかしそれを決めるのは俺じゃない)」
小次郎「(…真弥子が決めることだ)」
小次郎「(…俺に、いや、俺達にできることは今は真弥子が望んだとおり真弥子を思い出した時笑ってやることだな)」
小次郎「……おっと、感傷に浸っている場合じゃないな。とりあえずあいつに連絡をとるとするか」
俺は近くの電話ボックスを見つけ、真っ直ぐ歩み寄り、
小次郎「え〜と、10円玉、10円………フッ俺様は貧乏だが小銭入れのなかには10円玉は一杯入っているんだぜ」
小次郎「なにせ10円玉は俺みたいな探偵業には必要不可欠なものだからな」
小次郎「何?10円玉は関係ないだと?」
小次郎「わかってるよ、みんな貧乏がいけな…・」
どっかのオバチャン「ちょっとあんた後がつかえてるんだからさっさと済ませてよ!」
小次郎「(いつのまにかどっかのオバチャンが次に使おうと並んでいる)はいはい」
チャリン
小次郎「今のは10円玉を投入口に入れた音だ」
小次郎「で、あいつの番号わと、確か090-****-****だったな。……これでよし」
トゥルルルルル
トゥルルルルル
トゥルルルルル
トゥルルルルル
トゥルルルルル
トゥルルルルル
小次郎「……遅い。…・まだか…」
トゥルルルルル
トゥルルルルル
トゥルルルルル
トゥルルルルル
トゥルルルルル
トゥルル……ガチャッ、
小次郎「(…お、やっとでたな)お…・・!?」
音声『ただいま電話にでることができません。ピィーという発信音の後にお名前とご用件をお話下さい』
小次郎「チィッ、携帯なのに留守番か」
小次郎「仕方ない、直接行くか」
ギィッ
小次郎「すまなかったなオバチャン」
オバチャン「(ジロリ)」
オバチャンは小次郎のことを睨んでいたが小次郎は気にせずに歩き出した。
……しかしこの時小次郎は気づいていなかった。
近くで小次郎を見つめていたもう一人の存在に…・
…「フフフフ」
to be continued
な、なんとか小次郎編UをUP致しました。
最近行き詰まりとかもござっての〜
次回は杏子編Uです!
AD「お疲れ様でした〜」
小次郎「フイ〜今日も疲れた疲れた」
氷室「ほんと、疲れるわよね〜」
小次郎「そういや氷室アレ結構本気で殴らなかったか?」
氷室「ええ…本気だったけど?」
小次郎「なにーー!!」
小次郎「オイちょっと待て!何故本気で殴った?」
氷室「え?だってあなたも了解済みだったんでしょ?台本にもそう書いてあったし」
小次郎「ちょっと待てちょっと待て。おい台本!」
AD「へい、旦那!」
氷室「?」
小次郎「なになに、『ここで小次郎を殴る(本気で)』……・なんじゃこりゃ〜」
氷室「あんた台本よんでなかったの?」
小次郎「俺のにはそんなこと一言も書いてなかったぞ。おいパラサイト!これはどういうことなんだ?」
パラサイト「聞きたいかね?」
小次郎「ぜひともその理由を聞かせてもらおう」
パラサイト「それは」
小次郎「…それは?」
パラサイト「しいて言えばなんとなくかな?」
小次郎「なんじゃそりゃ〜」
水無月「まあまあ天智さん」
小次郎「俺は天智じゃなくて天城だ!あ・ま・ぎ!!…・お前は一体誰だ?」
水無月「それは後々に分かりますよ…」