テラー編U



PM6:30  -某商事ビル−


あたりに見えるのは目前にある4階建てのビルのみ

しかも帰宅時間帯が過ぎ去ったためあたりにはほとんど人はいない

そこへ一人の青年、セカンドが向かっている。

目の前のビルには入り口を過ぎると、受付、そして…………

なんと金属探知器に、付近にはガードマンとおぼしき男が3名待機している

それもどうみても日本人ではなく外国人の…・

しかも彼らの懐を注視すると少し盛り上がっている

そのビル内にはもう人はガードマンしか見受けられず、

青年はそのまま受付の前を通り過ぎ、金属探知器を通り抜ける。


    ビィーーー


案の定金属探知器は本来の機能を発揮させる

そしてガードマンの男が重い腰を持ち上げ青年に歩み寄る


男1「失礼ですがボディチェックを」

セカンド「フフフ、物々しい研究所だねここは」


いかにも余裕ありげにセカンドは応える


男1「…………」


男は何も言わずに黙々とセカンドの裾からチェックを始めている。

他のボディーガード2名もその光景を見つめてはいるが警戒はしていない


男1「!?」



男がセカンドの懐に触れたとき動きを止め、眉をひそめる


男1「…失礼ですが懐を拝見しても?」

セカンド「どうぞ」


唇に笑みを浮かべながら返事する


そして男は懐を開けると


男1「!?」


そこにはナイフが左右に2本ずつ、計4本……


セカンド「バイバイ」


言い放つとセカンドは右手の袖を伸ばし、そこからスッと掌に1本のナイフが流れそのままセカンドは右腕を一閃させた


男1「…グァ…」


男は首を裂かれながらも手は懐へと伸ばしていたがそのまま事切れた



セカンド「フフフ、プレイ・ザ・ゲーム!!」


   プシュッ、プシュッ、


奥の二人は事態を察知するとすばやく懐から拳銃を抜きセカンドに向けて発砲しセカンドを打ち抜いた

…………かに見えたが、

セカンドは死体となった男の身体をすばやく盾にして難を逃れている

だが男たちはかまわずに発砲を続ける


セカンド「…無駄ですよ…サイレンサー(消音器)を装備したままじゃあこの盾は打ち抜けないよ」


このような状況下でもどこかたのしげ、というかまるで遊んでいるように忠告する。

男達はそれを理解したのか、発砲をやめ今度は間合いを詰めようと様子をうかがう…

しかしここで男達には予想もしない出来事が起こった…

なんとセカンドが男の死体を盾にしたまま男達に向かってダッシュした!

男達は再び応戦したが、やはり盾に阻まれセカンドにはやはり当らない

そしてそのまま二人の目前へ!

セカンドは次の瞬間には突然盾となっていた男の死体を横に突き飛ばす

男達は照準を投げられた死体の方に一瞬ではあるが照準を合わせてしまい、

その一瞬が男達の命取りとなってしまった

あわててセカンドへ照準を合わせようとするがセカンドの間合いに入ってしまっており、

この間合いとなってしまってはもう彼らの勝機は薄かった。

いつのまにかセカンドの左腕にもナイフは持たれており、両手共に一閃させ、一人の男は正確に頚動脈を切断されたが、


セカンド「フフフフ」


もう一人の男はそれでもとっさに利き腕でない左腕で防ぎ、致命傷は逃れた。


セカンド「フフフフ………ハハハハハハ………」


しかしセカンドはその光景を見てしとめられなかった憤りなどは見せず、むしろ楽しそうに笑い出した

男2「!?」

セカンド「…フフフフ、なかなかやるね…あの転がっている2人よりは腕がたつようだ」


そして足元に落ちた拳銃を男の方へと蹴る

男2「?」


男は「わからない」といった表情をセカンドに向ける



セカンド「フフフ…ゲームですよ…あなたの銃と私のナイフ、どちらが早く相手に命中するかの…・ルールは簡単、あなたが拳銃に触ったら私も行動を開始します…賭けるものは互いの命ですがね…・


男は拳銃とセカンドに交互に視線を向け…



セカンド「どうしました?とらないのならこちらから向かいますよ」


言うと一歩男へと歩むみ、 それに端を発し男は拳銃へと腕を伸ばし、すばやく狙いをセカンドに向け……


男2「…・ガァッ……」


引き金を引く前にセカンドのナイフはすでに頚動脈を一閃していた…


セカンド「あ〜そうそう言うのを忘れてました…銃は構え、照準、引き金を引くまでにスリーアクション(3動作)かかるけど、ナイフはワンアクション(1動作)で済むんです」

セカンド「つまりこの距離ではどちらにしろ僕の方が絶対優位だったんです……ってもう聞こえていませんね…」

セカンド「……フフフ……アハハハハハハハ……」


転がった死体を眺めながら突如頭を抱えてセカンドは笑い出した


セカンド「フフフフフフフフ……」


そのフロアには彼の笑い声だけがこだまし、 ナイフについた血を一振りして振り払いその血が床に附着する

そのまま上へと続く階段を昇る音が男達が倒れているフロアに響き渡っていた
























PM 6:10  -同ビル最上階−




セカンドは何事もなく最上階へとたどり着き、目の前のいかにも…のドアをノックする

    コンコン


男「今は取り込み中だ!後にしろ!!」


中からの声はそれだけであった


   
コンコン



男「…取り込み中だと言ったろう!」


    コンコン


それでもセカンドはノックを止めない


男「………」


    コンコン


最後のノックを合図に中からこちらへ向かってくる足音が聞こえる


   バタンッ!


男「いいかげんにしないか!取り込み中だと言って………!?」


男の目の前には当然セカンドが現われる


男「…誰だ貴様…」

セカンド「はじめまして…まあなにはともあれ中に入りましょう…変な気は起こさないでください…」

セカンド「…このナイフは切れ味がいい…」


男の横腹にナイフを突き付ける


男「…・き、貴様はいったい…・それに下の連中は何をやって…」

セカンド「下の連中を呼ぼうとしても無駄ですよ…彼らには邪魔をしないようちょっと死んでもらいました…」

男「ば、バカな!襲撃の報告など私の耳には入っていないぞ…!」

セカンド「ええ、入り口の方々とは少々遊んでましたが、それ以外の方々は私の存在を気づく前に即死させましたから、まあそんな暇はなかったでしょうね…」


ナイフで自分の首を切る真似をしながら淡々とつぶやく…

男は観念したのか部屋へとセカンドと共に入り、椅子に腰掛け両手を机の上にのせる


セカンド「それにしても物々しい設備の研究所ですねここは」


男「な、なにをバカなことを…ここは外資系企業によって運営されている……」

セカンド「嘘をついても無駄ですよ…私はもうとっくに調べてあるんですから…」

セカンド「それにこのビルのセキュリティーとガードマン達でさらに確信していますから…」

セカンド「…ここが、ここがネオ=ナチの日本での拠点だということも…ね」

男「!?」


セカンドの一言で男の顔が一変する



to be continued


…………………………
以降はしばらくレポート戦線のため休載します
再開は11/14以降になるので!
ではその時まで待っていて下さい!!

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