小次郎編W


PM 18:00 −某ファミレス−


小次郎「!?……・今なんて言った?」


黄「へ…・ネオ=ナチいうたネ」

小次郎「ネオ=ナチ?」


突然黄の口から出されたその言葉


黄「そ、ネオ=ナチネ」


相変わらずストローを咥えながら話している

…しかし


小次郎「…・おい黄、確認したいんだがいいか?」

黄「いいネ」

小次郎「ネオ=ナチっていうと、スキンヘッドにハーケンクロイツの入れ墨をした連中のことか?」


そう俺の知っているネオ=ナチなどこの程度のものだ


黄「スキンヘッドに入れ墨?……ああ日本ではネオ=ナチはそういうイメージあるか!そういった連中は日本風に言えばただのチンピラネ」

小次郎「じゃあ本当のネオ=ナチとはなんだ?」

黄「本当のネオ=ナチは、旧ナチスの残党が作り上げた極右組織で、米や欧州では有名ネ」

小次郎「旧ナチスだと?そんな連中がまだウロウロしているのか?」

黄「あたり前ネ!主だったものはみんなWWUの敗戦と同時に国外に脱出しているネ」

小次郎「じゃあいまだに国際指名手配でもされてるのか?」

黄「う〜ん、たしかまだ賞金も懸けられて手配されてると思ったネ」

小次郎「ほう、ちなみに最高額はどれくらいだ?」


俺は賞金という言葉に思わず興味をもってしまった


もっともいまさら賞金稼ぎになろうなどとはおもわないがな


黄「う〜ん確か日本円に直すと2億か3億ぐらいだたかな?」

小次郎「(な、さ、3億…・それだけあればあんなことや、そんなことや…・)」

黄「アウシュヴィッツでカオス・エンジェル(混沌の天使)とか呼ばれた男だとおもたよ」


カオス・エンジェル、しかしその男の名は俺の耳には入らず俺は妄想にふけっていた



小次郎「(……はっ!いかんいかん!!つい金額の多さに我を忘れてしまった。まったく貧乏って恐ろしいぜ)」


俺は気を取り直して、



小次郎「しかし一体そいつらはどこへ逃げたんだ?」

黄「これははっきりした情報じゃないけど、南米、特にブラジルやアルゼンチンに逃げたってのがもっぱらな噂ネ」


南米?さっぱりわからんな



小次郎「ま、まあなんだってそのネオ=ナチの殺し屋なんかが日本なんかにくるんだ?」

黄「それはお仕事に決まっているネ。でも知りたかたら直接聞けばいいネ」

小次郎「もし聞けたとして『はい、そうです!』と正直に応えてくれると思うか?」

黄「まず無理ネ」

小次郎「まあそんなわけのわからん組織の殺し屋よりも俺の知りたいのは未確認のナイフ使いの殺し屋のほうだ。なにかわかったことがあったら知らせてくれ……・通常料金でな」

黄「しっかりしてるね。わかったよ、この件は私も興味あるから私の通常料金から割引した値段にしてあげるネ」

小次郎「(こいつの通常料金から割引って……また氷室に怒鳴られそうだな…・)」

黄「最新情報入ったら連絡するネ!」

小次郎「あ、ああ頼む」

黄「再見!小次郎」

小次郎「あ、その前に黄!」

黄「何ね?」

小次郎「……ここの払い…頼む…」

黄「……………」










18:30−セントラルアベニュー−


俺は黄と別れ外に出るともうあたりは陽が沈み暗くなっていた


小次郎「さてと、さっさと帰らないと氷室がうるさいからな……どうせ桐野もきているんだろうし…・」


俺はとりあえず体のむきだけでも事務所の方に向けると、そこで一旦立ち止まって考え始めた


それにしても厄介なことになってきた

もう存在しないと思われてたテラーが今になって帰ってきた理由とは!?

テラーといえば…エルディアの……


小次郎「オヤッさん、あんたいったいエルディアでなにをしていたんだ…」


俺の頭の中に、オヤっさんとの最後の会話が再生される












***************


桂木「昔の私のツケなのだよ、これは‥‥」

小次郎「ツケ?」

桂木「うむ。私はな、ある事から逃げたことがある。シッポを巻いてな、逃げ出したのだ」

小次郎「‥‥‥‥」

桂木「そしてそれが、私の人生に常に付きまとってきた。そして今、私はそれから逃れられない状況にある」

小次郎「そんなに‥‥せっぱ詰まってるのか?」

桂木「そうだ。ある人間が遠からずやってくる。そいつは恐ろしいヤツなのだ」

小次郎「‥‥そのために?」

桂木「そうだ。一時的にな。だが、キバを剥かない訳ではないぞ」

小次郎「弥生はどうするんだ? あんたの娘の‥‥」

桂木「あれは強い。人間としてな」

小次郎「女としては?」

桂木「弱い」

小次郎「そうまでして‥‥」

桂木「そうだ。これは私なりの、後始末なのだよ」

小次郎「‥‥‥‥」

桂木「アレのことは頼む‥‥」

小次郎「勝手なヤツだ」

桂木「今頃わかるとは甘いな。ふぅ〜‥‥」

小次郎「ゲホゲホっ」

桂木「タバコくらい吸えるようになれ」

小次郎「フン」

桂木「ふぅ〜‥‥」

小次郎「あんたは恐ろしいやつだ。恐ろしくて、ろくでなしだよ」

桂木「おまえに言われるとは光栄だよ、小次郎‥‥」


***************











おもえばあの埠頭での会話がオヤッさんとの最後の会話になってしまった…

…そういやきついのも一発もらったっけ…

ちくしょ〜、まだあの借りを返してないのにオヤッさんは

俺は何気なく街明かりにライトアップされた夜空を見上げる


小次郎「オヤッさん、あんた一体なにを考えて…・」


俺は考えながらも事務所のほうに向かって歩き始めた

!?

その時数台のパトカーが俺の横の大通りをサイレンを鳴らしながら通りぬけていった

それに遠くからパトカー数台と救急車のサイレンの音が聞こえてくる


小次郎「……(パトカーに救急車?…・まさかな…・)」


さっきの黄との会話が気になっているせいか、どうしても俺の考えていることと結び付けてしまう


小次郎「推理に私情を挟むなんて、探偵失格だな…・」


俺は苦笑混じりにつぶやく

が、一旦考え出すとその考えが何故か頭から離れなかった


小次郎「…・まさかな…・」


俺のまさかとはわかるかもしれないがさっそく例の殺し屋2人のうちのどちらかが動き出したのではないかということだ


小次郎「(気になる…俺の勘が何かが起こっていると伝えている)」


俺は勘というのは『理論や経験に基づいた立派な才能』だと普段から思っている

それに俺の勘は自慢じゃないがあまり外れたことはない

無論この時は私情が挟まっていて勘が鈍っている可能性だってある


小次郎「気になるな…行ってみるか…」


俺はこの勘を頼りにパトカーが向かって行った先へと足を向けていった


to be continued


小次郎「ふぃ〜疲れたぞ〜」

パラサイト「小次郎〜俺もだよ〜」

小次郎「そういや〜今回は『杏子編』との同時UPなんだって?」

パラサイト「そうなんだ。おまけにこの後にも書かなくちゃならないものがあるからいろいろ大変なんだよ」

小次郎「う〜む、素人なのに物書きは大変だな〜」

パラサイト「うん、それに本業は学生だからそっちの方をおろそかにしていると…・ね」

小次郎「まあできる範囲で俺様の大活躍を描いてくれ!」

パラサイト「OK!」

小次郎「後お約束のムフフな特典もな」

パラサイト「ムフフなやつですね…」

恵「…あんたらね〜」

小次郎「どわわ!なんだお前は、どっから入ってきた!」

パラサイト「け、恵なんでお前がここに!だいたい作品が違うんじゃ!?」

恵「そんなことより、例のやつは締め切りマジかなんでしょ!さあ書いた書いた!!」

パラサイト「いやじゃ〜!カンズメは嫌じゃ〜!!…こ、小次郎、た、助けてくれ〜

小次郎「…あいつ引きずられていっちまいやがった」

小次郎「じゃあおれはとりあえず事務所帰って寝てるとするか…」

Next Back

Endless Rhapsody