小次郎編X




21:00  −あまぎ探偵事務所−


    ガチャリッ

小次郎「うー…帰ったぞー…」

氷室「小次郎!」

小次郎「どわぁっ!なんだなんだ!?おおお、落ち着け氷室」

氷室「落ち着けじゃないでしょ!一体今までどこに行っていたのよ!?」

小次郎「うむ、それを語るにはまず俺の生い立ちから話さねばなるまい…そう、
アレは寒い冬の…」


    バキッ

小次郎「イテテテ…な、なにもグゥーで殴ることはないだろう」

室「あなたがくだらない事を言ってるからよ」

小次郎「なに!?俺の生い立ちがくだらないというのか?」

氷室「あなたとそんなくだらない議論をしている暇はないわ。いったい今まで何をしてたのよ!」

小次郎「……それはだな」

氷室「またくだらない事を言ったら今月の給料無しよ…」

小次郎「グッ…くだらないとはなんだくだらないとは!俺様は今まじめモードに切り替わっただろうが。俺のこの目を見ろ」

氷室「前髪で隠れてて見えないわよ」

小次郎「真顔で突っ込むなよ(ボソッ)」

氷室「そんなことはどうでもいいからさっさとどこに行ってたのか話なさいよ!」

小次郎「おい氷室、さっきから一体何を焦ってるんだよ…なにかあったのか?」

氷室「何かあったのかですって?あなたが帰ったら話すって言ったんじゃないの!!」

小次郎「そうだっけ?」

氷室「また殴るわよ…」

小次郎「ままま、待て待て…話せばわかる、なっ、なっ?さあまずはその怒りをおさめるために深呼吸からしてみよう、そしてその後は一緒にベッドにでも」

    バキッ

小次郎「ゲベッ」

氷室「また殴るって言ったわよね?」

小次郎「…ほ、本気だとは思わなかったぞ」


氷室「さて、それじゃあ話してもらいましょうか?」

小次郎「なんだか刑事の取り調べみたいだが…」

氷室「別にカツ丼もお茶も出ないわよ」

小次郎「だから突っ込むなよ…」

氷室「…なんだかちっとも先に進まないわね…」

小次郎「…だな」

氷室「…いいわ、私から話すわ…あの後桐野さんと一緒に内調に行ってきたわ」

氷室「そこで桐野さんは内調の」

小次郎「内調の水見 葵と組んで今度の件を当たることになった、だろ?」

氷室「!? …どうして知ってるの?」

小次郎「いや、それがな…実はついさっきまで会ってたんだ、その二人とな」

氷室「ついさっきまでって…じゃあ事件現場で会ったの?」

小次郎「ああ、ついでにその現場まで拝見してきたぜ」

氷室「呆れた、よく桐野さんだけじゃなく、葵まで許してくれたわね」

小次郎「まー、やつも上司の命令には従うしかないからな」

氷室「上司って…あなたまさか甲野さんの許可ももらって入ったの?」

小次郎「甲野?」

氷室「甲野本部長、法条さんの直属の上司だった人よ」

小次郎「ああ、あの髭か…そうか甲野という名前だったのか」



***************


甲野「へっくしょい」

桐野「本部長風邪でもひいたんですか?」

甲野「んん、どこかの女性が僕の噂でもしてるんじゃないかね〜」

桐野「……」


***************



小次郎「…まぁそういうわけで同一犯の仕業だな」

氷室「でもそのメッセージもなんだか不気味よね」

小次郎「ああ、だが俺が今知りたいのはな、その襲われたシャルケっていう商事会社がなにをしてたのかということだ」

氷室「なにか裏でもありそうなの?」

小次郎「ありそうも何も、そこのボディーガードはみんな屈強な外人さんで、おまけに武装までしてるんだぜ」

氷室「そうね、外国ならいざしらず、日本じゃそんなことまずありえないものね」

小次郎「ああ、そこでだ」

    ポンッ

氷室「な、なによこの肩に置いた手は…」

小次郎「例のごとくお前の能力をいかんなく発揮してもらいたい」

氷室「はいはい…もういつも大変な仕事は私任せなのね…」

小次郎「そうゆうなよ、俺達はパートナーだろ?」

氷室「…………」





    カタカタカタカタ カタカタ

    (ピモッ)


氷室「…繋がったわ」

小次郎「気付かれてないだろうな?」

氷室「そんなドジはしないわ。そもそも一般回線から東北の大学、そして建設省を今回は経由してるから大丈夫よ」

小次郎「さすがハッカー氷室」

氷室「もうどうでもいいわ…」



小次郎「さてと、じゃあ…何々シャルケ商事…ドイツを基盤にした商事会社か…設立年は1947年」

氷室「第二次大戦の終了後、ちょうど冷戦が始まろうとしている頃ね」

小次郎「ああ、それから南米にも支部を持っていて…日本に置いたのは4年前からか…」


南米か…確か黄の話だとそのあたりにはもうネオ=ナチの連中は南米いたっていうことになってるな

それに日本においたのは最近のことだな…


氷室「あら、それにこの日付…私がここに来てからだいたい一ヶ月後よ」

小次郎「よくそんな事まで覚えてるな」

氷室「あのね〜、唯一の従業員が入った時のことぐらい所長だったら覚えておいてよね」

小次郎「まぁ、それはともかく…扱っているものは…」

氷室「これといって特別なものを扱っているわけじゃないわね…ごくありふれたものだわ」

小次郎「ああ、だがそんなのを扱ってるだけの会社があちこちにに支部を持つほど巨大な組織になれると思うか?」

氷室「そうね…確かにそんな風には見えないわ」

小次郎「だろ、奴等は表ではごくありふれたことをやってるが、裏ではなにかやってるぜ」

氷室「ええ、でもこのアクセス権限じゃこれが精一杯よ」

小次郎「まぁ、内調もネオ=ナチなんかはノーマークだったんだろうな…特にこの日本じゃ」

氷室「あら?ここに書かれてるのって…」

小次郎「どうした氷室?」

氷室「シャルケ商事エルディア支部…これって…」

小次郎「!?」


エルディアにもだと!?しかも設立年は消されている…どういうことだ?

それよりやっぱり今度の件もエルディアが絡んできたのか…

いや、ネオ=ナチがエルディアに絡んでると見たほうがいいかもな


氷室「小次郎…」

小次郎「……」

氷室「……」

小次郎「ああ、ん?もう22:30か…悪かったな氷室、今日はもうあがっていいぜ。明日はまた動くことになりそうだからな」

氷室「ええ、そうさせてもらうわ」


氷室の奴なにか言いたそうだが、俺がいうことを聞かないというのもわかっているみたいだな…

まぁ、金にもならないことだし、危険もつきまとうことだからな…


氷室「じゃあ小次郎、私は今日はこれであがるわ。…また明日ね」

小次郎「ああ、今日はゆっくり休んでくれ」

氷室「あなたもね」

   バタン



ふぅー…俺一人になったな…

しかし今日だけでいろんな事があったな…とりあえず整理してみるか…

まず喫茶店で桐野から奴が担当することになった殺人事件の話を聞いたのが始まりだったな…

被害者はごくありふれた若者、女一人に男が二人

女の方は首を切られてショック死か窒息死かという惨たらしい死に方だった…

そしてその遺体のすぐ近くには一本のナイフが…4年前の事件にも同じことをする奴が…いや、する奴等がいた

殺しかたからみて間違いなくプロだということは判断できるが、アレはもういないはず

そして黄の情報からもそれは間違いなさそうだが…

それと気になるのがネオ=ナチとかいうわけのわからん組織まで日本にやってきているらしいからな

ま、そっちは国家権力にでも任せておけばいいか…なにせこっちは納税者なんだからな

俺にとってはテラーもどき(今は敢えてこう呼ぶが)の方が厄介なことこの上ない

なにしろよっぽどの殺し屋らしいからな…あのメッセージ

   “I`ll kill you .......... Terror”

…明日からまた忙しくなりそうだな…

…さて、明日騒がしい奴等が来る前に俺も寝るとするか…もういつのまにか0時過ぎだからな



to be continued


後書き

パラサイト「ドンドンドン、パフパフ♪」

パラサイト「いや〜なんかEVEは休載中なのに書いちゃいましたね…」

パラサイト「でもこれはこないだ自分で1stDAYを読み返してみた時自分で納得がいかなかったためにこれでちゃんとした1stDay終了という意味を込めて書き上げました」

パラサイト「どこかで小次郎編は楽だとか言われてましたが、本当に小次郎は扱いやすいというかにくいというか…」

パラサイト「しからずんば杏子編も納得してないので近いうちにUPさせて再び休載になります、ご了承ください」

なぜか書かれた小次郎編X話
しかしこれが本当にThe 1st Dayの小次郎編はお終いなのよ
そして次回は杏子編が今月中か、来月の頭には出ることになりそうね
そして次回はお待ちかねのあのキャラも!

次回『EVE〜Endless 狂想曲〜』
杏子編X
読まないと1919ぶっ放しちゃうわよ♪


Next Back

Endless Rhapsody