小次郎編T




AM 10:25


    ユサ ユサ

小次郎「………」

    ユッサ ユッサ

小次郎「うう〜ん……(なんだ一体?)」

小次郎「(まるで船にでも乗っているようなこの感覚…)」

    ペシッ ペシッ

小次郎「(ペシッ ペシッだと?そういや最近飲んでいなかったな…)」

小次郎「(ハッハハハハハそれはペ○シだったな……)」

小次郎「(………)」

小次郎「(……わかってるよ俺だってそんな寒いギャグなんて言いたくないさ)」

    ユサ ユサ

小次郎「(なに、またユサ ユサなのか?しかし気のせいか身体が揺れているような気がするぞ)」

小次郎「(いったいこの感覚はなんなんだ?)」

    ペシッ ペシッ

小次郎「(またペシッだ……しかしなんだこの痛みは……なんだか眠っているとわかっていても痛みが伝わってくるぞ)」

小次郎「(…眠っている!?俺は今起きてて眠っていて……うぉ、自分で何を言っているのか分からなくなってきたぞ)」

小次郎「(こう言う時は触覚というものを信用するのが一番だな、うん)」

小次郎「(…しかし俺は誰に説明しているんだ?まぁいい、とりあえず腕を動かして手に触るものを確認してみよう)」

小次郎「(いくぞ、それ!)」

    (ムニュッ)

   「キャッ」

小次郎「(ムッ、このムニュッという感想……いったいこれはなんだ?そしてなんか叫び声も聞こえてきたぞ)」

小次郎「(よしもう一度)」

    (ムニュッ ムニュッ)

   「ちょ、ちょっと小次郎……アンッ」

小次郎「(おお!いったいなんだこれは…なんだかとっても気持ちが良いぞ)」

小次郎「(俺の本能が言っている……"Don't stop it !")」

小次郎「(ハハハハ、さすがは俺様の本能!英語で言いやがった)」

小次郎「(これはもうやめられんな)」

    (ムニュッ ムニュッ)

   「クッ、ちょっと小次郎ってば!」

小次郎「(俺様の灰色の脳細胞がどんどん冴えてくる…それもういっちょ)」

    (ム……)

   「いいかげんにしなさい!!」

    (バキッ)

小次郎「グハッ〜」

氷室「まったく朝っぱらからなにやってんのよ!」

小次郎「アテテテテテテ…ん、氷室!?」

氷室「おはよう小次郎」

小次郎「テテテテ、それにしてもなんで俺様はベッドから転げ落ちてるんだ」

氷室「…自業自得でしょ」

小次郎「!?なんのことだ……それに…なに怒った顔してるんだ?」

氷室「別に」

小次郎「別にって…そんな怒った顔して言っても説得力無いぜ」

氷室「……当たり前でしょ!朝っぱらからあんなことされて怒らないほうがどうかしてるわよ」

小次郎「……あんなこと?」

氷室「あなた覚えてないの?」

小次郎「ああ、まったく」

氷室「そんな胸張っていばんないでよ…ハァ〜まったくあんたの性格が羨ましいわ」

小次郎「そうか?俺もお前の胸が羨ま……(ハッ)」

氷室「しっかり覚えてんじゃないのよーーーーーーー!!」

    (バキッ ドカッ ドガガガッ)


…………………………

小次郎「………(ピクピク)」

氷室「フンッ」

    (パンッパンッ)

小次郎「ひ……氷室…」

氷室「あらおはよう小次郎!どう目覚めた?」

小次郎「ああ、そりゃもうバッチリと……って!お、お前ここまでギタギタに普通やるか?」

氷室「あなたに普通なんて言葉当てはめたってしょうがないでしょ。なにしろあんたは言葉で言ってわからないんだから身体で覚えこまさなきゃならないんだから」

小次郎「って、俺は猛獣かい?」

氷室「猛獣のほうがまだ扱いやすくて良いわ」

小次郎「(クスンッ)」

氷室「さっ、今日はどうするの?」

小次郎「そうだな、まずはベッドに行ってさっきの続きを……」

氷室「(ギロッ)」

小次郎「……嘘です、冗談です(一瞬殺気を感じたぜ)」

氷室「言っとくけど次へんなこと言ったら蹴りが飛ぶわよ」

小次郎「おーSMか!!」

氷室「テイッ!」

    (ベキッ)

小次郎「グハァッ……お、お前さっきのパンチといい今のキックといい世界を狙えるぞ!」

氷室「なにそれ?」

小次郎「いやこっちのことだ」

氷室「さ、冗談はこの辺にしてまじめに本題に入りましょう」

小次郎「うむ、そうだな…」

氷室「…………」

小次郎「………」

氷室「…………」

小次郎「………」

氷室「…………」

小次郎「……………」

氷室「ねぇ、そんなひょっとこみたいな顔することになんの意味があるの?」

小次郎「いや、とりあえずこの場の空気を和らげようと」

氷室「ふ〜〜〜〜ん……馬鹿みたいだからやめてね」

小次郎「(グササッ)…今の一言はさらに傷ついたぞ」

氷室「自業自得」

小次郎「……なんか今日のお前ちょっと刺がないか?ほらーもっとこう笑って笑ってーみたいな」

氷室「どうせ私は可愛げがないですよ!」

小次郎「なにもそこまで俺は言ってないぜ」

氷室「はいはい、じゃあこうやってニッコリ笑えばいいの?」

小次郎「…それもなんだか営業スマイルみたいでなんだかな〜……もっとこう心の底から笑えないのかよお前?」

氷室「悪かったわね!そんなことより早く今日やるべきことを教えてよ!」

小次郎「ん、ああ……ところで今何時だ?」

氷室「10:30を少し回ったところね」

小次郎「そうか……昼前か後に桐野達が来るとか言ってたからそれまでは特にやることはないな」

氷室「………他にやることないの?」

小次郎「…ないな」

氷室「ハァ〜〜〜……今度の件、多少は収入あるんでしょうね?」

小次郎「期待しないほうがいいんじゃないか?」

氷室「そうね……」

小次郎「じゃあ俺は時間までだいぶあるんでちょっくら出かけてくるわ」

氷室「え?どこ行くのよ!」

小次郎「昨夜からいろいろ思うところがあってな。墓参りさ」

氷室「墓参り?」

小次郎「そうだよ、昔世話になった人のさ」

氷室「アラ?あなたでもそういう一面はあるのね」

小次郎「おい、そんなにおかしいか俺様が常識的行動をとるのが」

氷室「おかしい」

小次郎「キッパリ言うなよな……まぁそういうわけで行ってくるぜ」

氷室「ええ、じゃあ私は残ってちょっと昨夜の続きで調べ物をしておくわ」

小次郎「ああ、そうしていてくれ…それとな氷室!」

氷室「なに?」

小次郎「さっきの笑った顔なかなか良かったぜ!これからもそうゆう顔してくれよな」

氷室「バカ、何言ってるのよ!」

小次郎「ハハ、その照れた顔もまた一段と…」

氷室「さっさと行ってきなさい!!」

    (バタンッ)

氷室「ったく、あのバカ…」


だが言葉とは裏腹に氷室の表情は紅潮したままであった







11:20 -墓地-

小次郎「さってやってきたぜ」

小次郎「ここは墓地!決して変な場所ではないぞ!」

小次郎「……(それにしてもまさか久々にここに来るとわな)」

小次郎「懸命な読者ならこの俺様が誰の墓参りに来たかはわかるよな!!」

小次郎「そう、俺様は桂木のおやっさん、つまり弥生の父親の墓参りにやってきたわけだウム」

小次郎「って俺はなにを喋ってるんだ?」

小次郎「さってと、おやっさんの墓わっと……」

小次郎「ん?」


俺様がおやっさんの墓を探していると前方に見知った人物がいた

俺は思わず離れた位置でその人物を見つめている

その人物は静かに墓の前に手を合わせて目を瞑っていた

そして暫くして俺に背を向ける


小次郎「!!」


するとその人物の死角になってか、それとも関心が他所に行っていたためかとにかく傍らにもう一人男がいた

年齢的にはまだ二十歳前、いやもっと若くも見える

青年、いや少年だろうか?

俺はその青年には会ったことはない

だが、どこかで見たようなこともある

……多分気のせいだろう


するとその青年の方も俺のほうに気付いたらしく視線をこちらに向ける

そして俺の見知った人物のほうも何かと俺のほうに視線を向けた

その人物は俺を見るや驚きの表情を浮かべる


小次郎「よぉ、久しぶりだな」


黙っているのも気まずいので俺はとりあえず一声かけた


  「こ、小次郎!!」

小次郎「相変わらず元気そうだな弥生」


俺の目の前に立っているのは桂木弥生

かつての俺の恋人で、おやっさんの娘

実に9ヶ月ぶりの再会だった



............................. to be contiuned


後書き


パラサイト「はいな、再開後の小次郎編T無事終了!」

小次郎「いや〜長かったな〜……2月以来だから待ちくたびれたぜ」

パラサイト「そういやそうだな。しかしこうして書いてみると……お前って…」

小次郎「……なんだよ」

パラサイト「あっほやな〜〜〜」

小次郎「(グサッ)う、うるせー!お前の表現能力が下手なんだ!!」

パラサイト「(グササッ)お、お前それを俺に言うか?」

弥生「ウォッホン」

パラサイト「どわわわ!」
小次郎「おわっ!!や、弥生いつのまに!?」

弥生「なに、きたはいいがお前達のアホらしい会話に入るタイミングがなくてな」

パラサイト「参加したかったのか?」

弥生「そんなわけはないだろう!」

小次郎「そうだぞ、弥生は俺と話したかったんだ!」

弥生「それもない」(キッパリ)

小次郎「(シクシク)」

パラサイト「弥生ちゃ〜〜〜〜ん!☆」

弥生「ぶ、不気味な言い方をするなぁーーー!!」(殴)

パラサイト「グハッ」

小次郎「ふっ、甘いな作者。そいつは俺の特権にして、しかも捻りが足らないぜいいかみてろよ」

弥生「(ビクッ)」

小次郎「やおいちゅ〜〜〜〜〜ん!!(☆)」

弥生「(ピキッ)なお始末に悪いじゃないかぁぁーーーーーー!!」(蹴)

小次郎「ドハァァーーー……む、紫色……」

弥生「はっ!(バッ)」

弥生「(コホン)え〜二人とも何故か不慮の事故で伸びてしまったのでここで言わせてもらおう!」

弥生「私に向かって不気味な呼び方をするな!そして私はやよいだ!!やおいじゃないぞ!!」

弥生「え?やおいって何かって??………それはだな〜〜…その、某方にでも聞いてくれ」

弥生「では次回もご愛読頼むぞ!」


2000年12月5日



オジ様が眠る所で出会ってしまった小次郎と弥生
この二人はやはり運命的に惹かれ合うのだろうか?
出会ってしまった二人はなにを語り合う!?
そして気になる傍らの青年
次回「EVE -Endless Rhapsody-」
小次郎編U!
次回も読まないと1919ぶっ放しちゃうわよ♪


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