小次郎編V



12:30 -セントラルアベニュー-


水見「あなた確か天智(アマチ)小次郎っていったわよね?」

小次郎「天城(アマギ)だアマギ!!」

水見「あら、そうだったかしら?まぁそんなのどうでもいいわ…それよりこんなところでなにしてるのよ」

小次郎「なにって……ここは天下の往来。そこに俺がいるのはおかしいか?」

水見「すっっっごくおかしい!」

小次郎「おい、そんなに強調するなんてどういう意味だ!?」

水見「あなたの今の意見は一般人に当てはまるのよ。不審人物には当てはまらないわ」

小次郎「(ガクッ)とととと…おい、俺のどこが不審人物なんだ!言ってもらおうか」

水見「いいわ。まずあなたのその長髪に加えて目までかかった前髪!目が見えないわよ」

小次郎「う”」

水見「そしてそのセンスのないよれよれのジャケット!」

小次郎「(グサッ……セ、センスがないって………これ俺の一張羅だぞ…)」

水見「以上の結果から充分に妖しいわ!」

小次郎「おいちょっと待て!長髪と前髪ってのは認めたくないがよく言われるからいいが…俺のジャケットにセンスがないだと!」

水見「ええ、そのジャケットよれよれでシワになってるじゃない」

小次郎「俺はこういう風なのがいいんだよ!」

水見「だからセンスがないのよ」

小次郎「……は、はっきり言うやつだな……まるで法条のようだ」



    **********

まりな「はっくしょん……うう、ちょっと冷えるわね……クーラーの効きが強いのかしら?」

まりな「そっれにしてもこの映画……つまらないわね〜……ゲームでもやってようかしら?」

まりな「でも到着まで後5時間だし……寝てましょう」

    **********


水見「アラ?まりな教官を知ってるの?」

小次郎「知ってるもなにもアイツは苦手だ」

水見「へぇ〜…昨夜のことといいあなたただの私立探偵じゃないわね?」

小次郎「まぁ俺はこの業界じゃNo.1っていうもっぱらの評判だからな」

水見「……」

小次郎「なんだよその目は」

水見「疑ってるのよ、とてもそうは見えないから」

小次郎「まぁおいおいその目で確かめるがいいさ」

水見「そうね……ってこんなこと話してる場合じゃなかったわ!」

小次郎「そういやまだ俺との約束の時間には早いはずだ。なにかあったのか?」

水見「そうね、あなたになら話してもいいかもね…実はさっき杏子が狙撃されたっていう報が入ったのよ」

小次郎「なに、狙撃?」

水見「ええ、幸い彼女に弾が当たったわけじゃないから大丈夫なんだけど…今現場検証中のはずなの。それで私も現場に行くってわけ。不本意だけど今度の件で組んでいる子だから」

小次郎「しっかしあいつもよくよくトラブルに巻き込まれるな。だが狙撃っていうのが引っかかるな」

水見「ええ、まぁそれを確かめるために私はもう行くわ。あなたの所へはちょっと遅れるかもしれないけど」

小次郎「ああ構わんが…ただ俺がいない可能性もある。その時は事務所にいる氷室に…ああ、氷室ってのは……」

水見「知ってるわ。氷室先輩でしょ?」

小次郎「氷室…先輩?」

水見「あら、先輩から聞いてない?私の前の勤め先って教育監視機構なのよ」

小次郎「何!?…それって…」

水見「そっ、氷室先輩の前の勤め先。もっとも私が入った時には先輩はもうすでにあなたのところにいたみたいだけど」

小次郎「(氷室の後輩か…)」

水見「でもあの氷室先輩が………」

小次郎「な、なんだよその俺を値踏みするような目は」

水見「はぁ〜なんだって先輩はこんな男を選んだのかしら…大方あなたが氷室先輩をたぶらかしたんでしょうけど」

小次郎「た、たぶらかすって人聞きの悪い事を言うな!」

水見「だって事実でしょ?」

小次郎「ふ、ところがどっこいヤツ(氷室)のほうが俺にゾッコンなのさ!」


    **********

氷室「ックシュン……風邪かしら?」

氷室「それにしても……暇ね〜…」

    **********


水見「ウ、ウゾ!あなたに!?なんかの間違いよ」

小次郎「フフン、何と言っても事実は動かないぜ」

水見「ああ〜、私の先輩へのイメージが壊れてく〜〜〜」

小次郎「(この勝ち誇った気持ち、なんか嬉しいぞ)」

小次郎「って、お前早く現場に行かないでいいのか?」

水見「(ハッ)う、うるさいわね!わかってたわよそんなの!!いい、ちゃんと後であなたの事務所とやらに寄るからちゃんといなさいよ!」

小次郎「ああ、わかったわかった……って言ってる間にいなくなったな……」

小次郎「(しかし桐野が狙撃を受けた?)」

小次郎「(しかし誰がなんのために桐野を?……ここはアイツでその情報を確かめる必要もあるな)」

小次郎「(しかし会う約束は17時だったな…)」

小次郎「とりあえず事務所に帰るか……腹も減ったことだしな」






13:10 -あまぎ探偵事務所-


小次郎「帰ったぞ〜」

氷室「お帰りなさい小次郎」

小次郎「ああ……ただいま」

氷室「用事とやらは終わったの?」

小次郎「ああ、だが今日はいろんなヤツにあったぞ」

氷室「へ〜……誰?」

小次郎「えっと………や……(ヤバイ!)」

氷室「や?」

小次郎「そ、そうじゃない!えっと“や”っと用事を済ませた後に会ったんだよそいつには」

小次郎「(危ない危ない……弥生に会ったなんて言える状況じゃないからな…)」

氷室「だから誰に会ったのよ」

小次郎「えっと、水見葵だ」

氷室「葵に!?」

小次郎「ああ、なんでも桐野が狙撃されたそうだ」

氷室「ええー、なんですって!」

氷室「そ、それでなんであなたはそんなに落ちついてられるのよ!」

小次郎「お、おちつけ氷室!幸いに桐野は無事だ」

氷室「え?」

小次郎「どうやら狙いは外れたらしい……まったくやつは強運の持ち主としか言いようがない」

氷室「そ、そうなの?」

小次郎「ああ、だがわからんのは何故桐野を狙ったかってことだ」

小次郎「昨日の今日で断言はできないが……俺達のまわりでなにか不穏な動きがあるのは確かだな」

氷室「単なる偶然って考えは?」

小次郎「ああ、そいつも考えられる可能性の一つだ。だがもっとも楽天的な可能性のな」

氷室「そうね……私もこの可能性は今回のでは低く思えるわ」

小次郎「今は動くにも情報が足りなさ過ぎる……ナイフ使いの件といい、ネオ・ナチ……一体なにが起ころうとしてるってんだ!」

氷室「ちょっと小次郎落ちついてよ!」

小次郎「あ、ああ……(焦り?だが何故だ…)」

氷室「この後に来る葵と桐野さんの情報を待ちましょうよ」

小次郎「(もっとも黄を使う手もある…だがアイツもまだ昨日頼んだ件で会うのは夕方だからな…)」

小次郎「だがあいつらちょっと遅れるかもしれないな…」

氷室「そうね…早く来てくれるといいんだけど」

    (ピンポーン)

小次郎「ん?もう来たのか?」

氷室「え?小次郎と葵が別れたのって30分ほど前だったんでしょ?」

小次郎「ああ…だからアイツ等って可能性はないぜ」

氷室「じゃあ誰が?」

茜「お客さんっていう可能性は考えられないの御2人さん。まったく…」

小次郎「どわわわわっ」
氷室「きゃっ」

茜「なんだよ、そんなに驚かなくたっていいだろ」

小次郎「驚くわ!それに勝手に入ってくるとはどういう了見だ」

茜「どういうもちゃんとチャイム鳴らしてから入ったんだけど…」

氷室「柴田さん!そうゆう時は私か小次郎がちゃんと出迎えに行くからそこで待ってるものよ」

小次郎「そうだ、その通り!」


突然現われたこの女の正体…

コイツの名は柴田茜、フリーのルポライターだ

まぁ、俺に言わせれば単なるゴシップに群がるハエだがな


茜「ちょっと、その説明は酷いんじゃない!そもそもこんな美少女を捕まえて“ハエ”はないでしょ」

小次郎「うるさい!お前等のようなやつはみんなすべからくハエで充分だ」

茜「あ〜、お客さんに向ってそういうこと言うのかな〜」

小次郎「誰が客だ!」

氷室「そうよ柴田さん!この前も簡単な犬探しの仕事だとか言っといて政治家のスキャンダルの取材の手伝いだったじゃない」

茜「だからアレは〜…ぼ、僕はちゃんと説明しただろ」

小次郎「ああ、政治家に献金を贈って尻尾を振る連中の取材だったな……」

茜「そ、僕はその犬を探してたんだよ!」

小次郎「やかましい!そんなわけだからお前が客ってなるとどうせ厄介事だろうから、さぁ帰った帰った」

茜「へっへーん…そんなこと言ってていいのかな?」

氷室「え?どういうことなの」

小次郎「どういう意味だ」

茜「今日の僕は単なる仲介人……僕は君達に依頼人を届けに来たんだよ」

茜「さぁ、フリーダ、入っていいよ」

小次郎「フ?」

氷室「フリーダ!?」


茜の口から出た言葉に俺と氷室は正直面食らった

そしてその言葉で奥から現われてきたのは金髪の………その、美人だった



.................to be continued


後書


茜「へっへ〜ん、とうとうこの僕柴田茜の登場だね」

小次郎「おい、なんでこんなやつを登場させたんだ?」

パラ「グゥ〜〜〜〜…zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz」

茜「あら、作者ってば寝ちゃってるね」

小次郎「このままコンクリ詰にして海に放りこむのもいいかもな」

パラ「わ〜タンマタンマ!起きてるってば(汗)」

小次郎「ならば問おう。なぜ茜を出した?」

パラ「だって出したって言ってもフリーダ君を君の事務所に連れてきただけじゃん」

茜「え?僕の出番ってアレで終わり?」

パラ「そうだけど」

茜「ガガーーーン!」

小次郎「じゃあな茜、美人の依頼人ありがとよ!」

パラ「いや〜それにしても書いてて思ったけど…金髪の登場人物が多いね〜」

小次郎「あ、それ俺様も思ったぞ。さては作者、お前金髪好きだな?」

パラ「うんや。でも魅力は感じるね。小次郎は金髪好きだろ?」

小次郎「おうよ!」

茜「(金髪に染めてみよっかな〜?)」

パラ「でも日本人なら赤でも白でも青でもなく、黒髪が一番だろう!」

パラ「なんでまりなは赤で、茜は緑、氷室は水色で弥生は紫なんだ?」

小次郎「ふっふ、教えてやろう!それはみんな黒髪だとキャラの個性が活かせず、しかもユーザーには全て一緒に見えてしまうため、一種のアクセントってやつだ!!」

パラ「おおおおぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」


久々登場の柴田茜
彼女が連れてきたフリーダとは何者なのか?
未知という影が小次郎達に迫る

次回「EVE -Endless Rhapsody-」
小次郎編W!
次回も読まないと1919ぶっ放しちゃうわよ♪


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