小次郎編Y





小次郎「そら…よっ!!」

   (ボカッ)

男「グハァッ………」

   (ドサッ)

小次郎「よし、これで全員だな」

   (パンパン)

黄「あいや〜……お見事ネ小次郎♪」

小次郎「………ったく」



俺は横たわっている男達4人と近くでこの光景をしゃがんで傍観し、なおかつ拍手をしながら喜んでいる黄を交互に眺めながら嘆息する


男「……お、おのれ…」

   (コーーーン)

男「ぐがぁっ」

黄「はいは〜い。おとなしく眠っているよろし」

小次郎「………」

黄「それにしても小次郎 ……結局銃は使わなかたネ」

小次郎「ああ、結局使うような相手でも状況でもなかったしな」

小次郎「……さってと…おい!!」


俺は倒れている男の中から店の中で観た日本人らしき男を見つける。

そしておもむろに髪の毛を掴んで引き起こす


男「グッ」

小次郎「おい、おまえは日本人か?」

男「………」

黄「あや〜、黙して語らずネ」

小次郎「………」

小次郎「おい……そうやって黙ってるつもりならこっちにも考えがあるぜ」

男「!?」

黄「おお、小次郎の噂に聴く拷問が始まるか!?」

小次郎「そこ! 勝手な噂を流さないように!!」

黄「(…チッ)」

小次郎「まぁ、まぁこっちもお前等みたいなヤツに付け回される覚えはあるが何者か分からないんじゃあとりあえず口を割らせるしかないんでな」

男「……な……何をする気だ!?」

小次郎「お、やっと喋りやがったか」

黄「しかも流暢な日本語ネ」


男「!!」

小次郎「………こんな脅しで簡単に口を割るとは ……お前素人だろ?」

男「し、知らん ……俺はなにも喋らんぞ」

小次郎「フフン、俺様の拷問秘儀を味わった後で再び同じ言葉を言えるかな!?」

男「な……何をする気だ!?」

小次郎「フッフフフフフ………」

黄「(こ……小次郎の目がいっちゃてるネ)」








   (……10分後)


男「ぎゃーはははは ……は、話す! ひぃー、ひぃー は、話すからやめてくれぇーーーっ」

小次郎「本当に洗いざらい喋るんだろうな!?」

男「は、話す!! 俺の知っていることは全て。 だ、だから……ひぃー、ひぃー……」

小次郎「よし、勘弁してやろう」

男「はぁー、はぁー、はぁー……」

黄「(……お、恐るべし小次郎のくすぐり地獄……ネ)」

小次郎「ん、どうした黄? 額にそんなに汗を浮かべて?」


黄「な、なんでもないネ。 ……なんでも」


小次郎「……?」

小次郎「まぁいい。おいお前!」

男「ひっ」

小次郎「素直に喋れば他の連中と一緒に帰してやる」

男「……ほ、本当だな!?」

小次郎「ああ、素直に喋れば……な」

黄「……」


小次郎「まずお前と……こいつらは何者だ?」


男「……お、俺はこいつらに雇われたただの つ、通訳だ」

小次郎「通訳? じゃあこいつらは何者だ?」

男「し、知らない……」

小次郎「おいっ!」

男「ほ、本当だ! わかっているのはこいつらはシャルケ商事って外資系企業のセキュリティーサービスってだけだ!!」

小次郎「!!」


男の口から出たその言葉、俺は奇妙な感覚に捉われる。シャルケ商事とはつい先日俺が足を踏み入れたところだ


小次郎「なんでそんな連中が俺をつけまわす!」

男「なんでって……」

小次郎「おいっ、俺様が優しく言っている間に正直に応えろよ!」

男「ヒッ ……こ、こいつらが言うには、あんたが産業スパイだって話だから!」

小次郎「……なんだと、俺が産業スパイ?」

男「あ、あんたがシャルケ商事の重要プロジェクトの機密書類を盗み出した! だからこいつらが……」

黄「あいや〜、そうだったか小次郎。 貧乏に耐えかねてとうとう泥棒にまで」

小次郎「そこ、本気にするな! けど、そうまでして何で俺を……」


男「お、俺が知っているのは本当にそれだけだ。後のことは多分こいつらのほうが知っている。 な、だからもう勘弁してくれ」

小次郎「……駄目だな」

男「なっ ……約束が違う。騙したな!!」

小次郎「ばぁ〜か。 ………お前を逃がしたら誰がこいつらの通訳をするんだよ」

男「……あっ」

小次郎「……おい黄、そこらへんのヤツを一人誰か起こしてくれ」

黄「了解、了解ネ」


…「悪いがその必要はない」

小次郎「っ!!」

   (グサッ)

男「ガァッ」

小次郎「なっ!? おい、しっかりしろ!」


突然背後から声が聞こえたと思った瞬間、先ほどまで俺が尋問していた相手にナイフが突き刺さり男はそのまま事切れた

俺の背後にはいつのまにか一人の男がたたずんでいる


小次郎「(いくら話に夢中だったとはいえ、こうも簡単に後ろにまわりこまれるとわな)」

…「はじめまして天城小次郎。 そして……おやおや、珍しい御方がご一緒で ……。フロイライン」

黄「………」


その男は傍らの黄に視線を向けるながら語る。どうやら男のほうは黄と面識があるのか黄のことを知っているらしい

そして俺はこの男に見覚えがあった


小次郎「……こいつ…確か…」

黄「ネオ・ナチのナイフ使い ……フリッツ」


小次郎「切り裂くのが快感っていうサディストか……」



先ほど黄に写真で見せられたネオ・ナチの暗殺者。そいつが俺の前に立っている


フリッツ「どうやら自己紹介の必要はないらしい」

黄「こんな所でこんなヤツに遭うなんて遭うなんて最悪ネ」

フリッツ「フフ、俺も嫌われたものだ」

小次郎「そのネオ・ナチの殺し屋が俺様に一体なんのようだ。まさか本当に産業スパイだなんて思っているんじゃないだろうな」

フリッツ「フフフ、まさか。それはそこの男を利用するための単なる方便さ……お前を殺すためのね〜。 まぁお前も何も知らずには死にきれまい。だから一つだけ理由を教えてやろう」

小次郎「………」

フリッツ「天城小次郎、貴様の名前は我が組織の日本における活動において真っ先に障害となるであろう人物としてリストアップされたのだよ」

小次郎「なんだと!?」

フリッツ「俺としても意外だったよ。てっきり日本の諜報員、もしくは警察関係の人間かと思ったがまさかただの探偵だとはな」

小次郎「その探偵がなんでお前らのブラックリストに載る」

フリッツ「俺も詳しくは知らされていない。だが実際はお前自身が知ってるはずだぞ天城小次郎」

小次郎「!?」

フリッツ「知らぬ振りをしても無駄だ、とっくに調べはついている。トリスタン……と言えばお前にもわかるだろう」

小次郎「!!」

フリッツ「どうやら身に覚えがあるようだな。それが我々がお前を排除すべきと踏んだ理由だ。まさかこうして俺自らが出向く事になるとは思わなかったがな」


フリッツは懐から出した新たなナイフを舐めまわしながら言い放つ。そしてその目は獲物を狩る前の野獣のように狂気に満ちている

当然その獲物は俺と……黄ということになるのだろう


黄「一難さって……また一難ネ」

小次郎「………」



俺は黄の軽口に反応することができなかった

目の前のフリッツという男が構えから只者じゃないと言うこともわかっており片時も目を離せる状況じゃない

俺は黄から渡された携帯電話方の改造銃に手を伸ばし所在を確認する


フリッツ「……楽しませてくれよ、天城小次郎」

小次郎「……フンッ、期待は裏切らないよう努力はしてやろう。だから感謝しな」

フリッツ「いい返事だ」


フリッツはジリジリと俺との間合いを計り、様子見とばかりにナイフを俺に振るってくる

だがそれは単調な攻撃だったので俺は難なくかわすことができた


フリッツ「いい動きだ。思ったよりもできる……だがっ!!」

小次郎「!!」


フリッツはさっきまでとは打って変った素早い手さばきでナイフを一閃二閃と繰り出してくる

俺はそれをなんとかかわすが、紙一重でかわした証拠に着ていたジャケットの裾がばっさりと斬り裂かれている


フリッツ「ふむ ……これもかわしたか。 確かに情報通りいい腕をしているな」

小次郎「……それはどうも。 こっちもジャケットの弁償をおたくの組織に請求したいがな」

フリッツ「ハハハハ、面白い男だ。 いいとも請求したければするがいい。 もっとも………」

フリッツはそう言い放つと右手で構えていたナイフを左手に持ち変えそのまま俺に斬りかかる


小次郎「グァッ」

フリッツ「それができればの話だがな……」


そのフェイント攻撃に俺は一瞬反応が遅れ利き腕を斬りつけられた

致命傷ではないが斬られた腕からはかなりの出血がある


フリッツ「いい反応だ。本来ならその腕は切断されていた」

小次郎「……その言葉は素直に喜んでいいのかわからんな」

フリッツ「構わんさ喜んで。 今まで俺が殺してきた相手は大概今ので戦意を失って私に助命を懇願するのだからな」

小次郎「………」

フリッツ「そしてそんな相手に俺はもう片方の腕も斬り、そして足も斬り、全身を切り刻んで楽しむわけだ。 時間をかけてたっぷりとね」

小次郎「……話に聞く以上のゲス野郎だな」

フリッツ「フフ、俺には褒め言葉だよ。 刑務所に収監される前から俺は人を傷つけることに喜びを覚えていた。そして組織に飼われてからはそれによって今の地位を確保したのだからな」

フリッツ「そうそう昨夜殺した男もそうだったよ。 命だけは助けてくれと俺に助命してきた」

小次郎「………」

フリッツ「お前はそんな鳴き声をあげてくれるのか今から考えると背中がゾクゾクしてきてしまう」

小次郎「………胸くその悪くなるヤツだな」

フリッツ「フフフ、それも褒め言葉だ。 さて、そろそろ終わらせようか」


フリッツはすでに手負いとなった俺にゆっくりと近づいてくる

だが俺はフリッツのその油断に勝機を見出した


小次郎「そらよ!」


俺は着ていたジャケットを素早く脱ぐと、それをフリッツに向けて投げ放つ


フリッツ「くだらん! こんなものが目晦ましになるかっ!」

小次郎「そいつはどうかな」

フリッツ「なっ!?」


投げられたジャケットを一刀両断にした後にフリッツが目にしたのは改造銃を構えた俺の姿だった


小次郎「食らいな」


    (パンッ)





……………… to be continued



小次郎「…………」

ぱら「………」

小次郎「…………」

ぱら「………」

小次郎「…………」

ぱら「………」

小次郎「…………」

ぱら「………」

小次郎「………よ、よう」

ぱら「………や、やぁ久しぶり」

小次郎「……げ、元気そうじゃないか」

ぱら「おう、身体はいたって健康そのものだ」

小次郎「でもこの話が公開されるには長かったな」

ぱら「うぐっ…」

小次郎「3/23か ……5ヶ月。まぁお前(作者)にしちゃー早い方かもな」

ぱら「だろだろ? 俺にしちゃ早いだろ?」

小次郎「でもなんでこんなに遅れたんだよ」

ぱら「いや〜、EVEを書く気がなくてね〜〜〜」

小次郎「おい、サラッというなよサラッと。 それに問題発言だぜそれ」

ぱら「だってさ〜〜 ……もうEVEが発売されないっていうじゃない」

小次郎「うぐっ」

ぱら「それに知り合いのEVE系HPも閉鎖、もしくは開店休業になってるところが多くなってさ〜〜〜」

小次郎「うぐぐぐ」

ぱら「ちょっとモチベーションが下がっちゃったから少しEVEを書く気が……ねぇ〜」

小次郎「しかしこうして書いたからには続けるんだろ?」

ぱら「わからん」

小次郎「おい!!」

ぱら「読み切りぐらいは書きたいけど………連載ともなると。未完完結ってあり?」

まりな「駄目! 絶対駄目!!」

小次郎「どわわわ! ほ、法条!」

ぱら「げげっ」

まりな「まだ私が大活躍してないんだから絶対完結せずに終わらせちゃ駄目よ!」

ぱら「ってかまりなの出演予定は……」

まりな「それをこれから缶詰してでも作りましょうね♪」

ぱら「イヤだ〜〜 缶詰はイヤだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

まりな「さぁ、レッツラゴー!」

ぱら「聞けよ、人の話を!!」

まりな「あ〜も〜うるさい!」

    (ゴギッ)

ぱら「…………」

まりな「や〜〜っと静かになった。 んじゃね小次郎」

小次郎「…………」


小次郎の反撃は如何に!?
一方の杏子はその日の疲れを癒すべく家路へと
そこで起こる事件とは!?

次回 杏子編X!
次も読まないと1919ぶっ放しちゃうわよ♪




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