杏子編X




20:30 内閣調査室本部


杏子「ぼけ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

甲野「うわっ、きょ…杏子君!!」

杏子「あ ………本部長」

甲野「……どうかしたのかね〜? なんだかぼけ〜っとしていたようだけど」

杏子「いえ、出番待ってたんですけどなかなか回ってこなくて」

甲野「なんのことだいそれ?」

杏子「あ、こっちの話ですこっちの……」

甲野「それよりも君一人かい? 葵君はどうしたんだい」

杏子「え、葵ならとっくに帰りましたけど」

甲野「それで君はなにをしてるの?」

杏子「いえ、今回のことを私なりに色々と考えてるんです」

甲野「なるほど。それはいいことだよ〜 でもパソコンを使って記録にしとくとかはしないのかい?」

杏子「う”っ」

甲野「んん? 僕なにか悪いこと言ったかい?」

杏子「い、いえ…… ただ私ってばパソコンとかの機械類って相性があまり〜………」

甲野「相性が? あ、ああ〜ああ〜。そういえば杏子君は内勤でパソコンを壊して回ってたんだっけ」

杏子「わ、わざとじゃないですよ〜〜」

甲野「うわっ。そ、そんな椎茸の断面図みたいなうるうる顔で僕に言ったてしょうがないでしょ〜」

杏子「う……うるうる」

甲野「でもパソコンが使えなったんなら……君内勤時はどうしてたんだい?」

杏子「そ、それは〜 ……」

甲野「んん?」

杏子「て……―」

甲野「……て?」

杏子「て………手書きです」

甲野「へ……手書き!?」

杏子「………はい」

甲野「………」

杏子「………」

甲野「………」

杏子「………」

甲野「ブワーハッハハハハハハハ」

杏子「ひっどーい本部長。それが部下に対する態度ですか」

甲野「いや〜だって今時手書きだなんて 」

杏子「でも私大学時代もワープロも使わず手書きだったんで苦にはなりませんでしたけど」

甲野「いや〜、Lost Oneでの救世主の杏子君がパソコンも使えないなんて知れ渡ったらいったいどんな反響が出るだろうね〜」

杏子「それ……雄二君にも以前言われました…」

甲野「まぁ今後のためにも少しは練習したほうがいいんじゃないのかい?」

杏子「………はい」

甲野「じゃ、あんまり君の考えを邪魔しても悪いから僕はこれで失礼するよ」

杏子「……私ももう帰ります。なんだか考えるどころじゃなくなっちゃったし」

甲野「そうかい? それじゃお疲れ〜」

杏子「……お疲れ様です」

   (バタンッ)

杏子「ふ〜〜〜……それにしても今日は天城さんから聞いた話はまだ信じられないわ」

杏子「9ヶ月前にまりな先輩から聞かされたのも驚きだったけど、色々複雑みたいだし」

杏子「………Lost One 事件の救世主か………私はやるべきことをやった、ただそれだけの思いしかなかったのにこんなに大事になっちゃって」

杏子「でもあの事件は私にとって大きな出来事であったのは確かだけど………」

杏子「でもそれは雄二君という協力が得られたから」

杏子「そして………」

杏子「(見城先輩も………)」

杏子「ふ〜〜……… なんだか今回の件も結構大きく膨らんできちゃったし、おまけに雄二君までまた巻き込むことになってしまったわけだしね。雄二君は私とは違って一般人、普通の高校生なのに……」

杏子「そういえば雄二君……玲奈ちゃんと会うとか言ってなかったかしら? その首尾はどうだったのかちょっと気になるわね〜〜〜〜」

杏子「ちょっと電話してみよ♪」

   (ピッポッパッポ ピッ ……)

   (トゥルルルルルルル……)

   (トゥルルルルルルル……)

   (トゥルルル ガチャッ)

雄二『はい、江国です』

杏子「やっほー、雄二君!」

雄二『きょ、杏子!?』

杏子「そ、私。 でもなんだか慌ててない?」

雄二『ば、ばか…そ、そんなことあるわけないじゃん』

杏子「ふ〜〜〜ん まぁいいけど…」

雄二『で、どうしたんだよ電話なんかしてきて』

杏子「あ、玲奈ちゃんとの話がどうなったのかちょっと気になっちゃってね〜」

雄二『…………』

杏子「……雄二君?」

雄二『……それ本当?』

杏子「(どういう意味かしら? まぁ二人の仲がどう進展したのか興味あるのよね〜)」

杏子「で、どうなったの?」

雄二『………別に』

杏子「別にって……なにかあったんでしょ? どうなったのかもったいぶらずに教えてよ」

雄二『別にもったいぶってるわけじゃなくて………それにこれは杏子には関係ないことだろ?』

杏子「まぁ、まぁーそう言われればそうだけど………」

雄二『それよりさ、今日氷室さんとこ行ったんだろ? 成果はあったの?』

杏子「え? え、ええ ………ええ、成果はあったわ」

雄二『なんかあったの?』

杏子「う、ううん特になんにもないわ」

雄二『……ならいいけどさ。それよりこれから杏子ん家(ち)行ってもいい?』

杏子「え、これから?」

雄二『ちょっと杏子に話があってさ』

杏子「電話じゃいえないことなの?」

雄二『ああ、電話じゃ………ちょっと』

杏子「(電話じゃ言えないってなにかしら? 私なにか雄二君にいけないことしたっけ……… はっ、まさか雄二君から借りてるCD-Rにこないだ醤油をこぼしちゃったことがばれたのかしら!? それとも別の……)」

雄二『杏子、聞いてる?』

杏子「え? え…ええ、聞いてるわよ」

雄二『で、どうなの? それとも今日は疲れてる、昼間あんなことがあったから?』

杏子「う、ううん別に大丈夫よ。でも私今仕事場にいるからちょっと遅れるわよ」

雄二『OK。じゃあ今21時前だから……22時頃に杏子の家に行くよ』

杏子「OK!」

雄二『じゃあ』

杏子「うん、後でね」

   (ガチャッ)

杏子「………雄二君の話ってなんなのかしら? まぁそれは後で聞くとしてもう帰ろっと。早くしないと22時を過ぎちゃうし…」


『それでは次のニュースです……』


杏子「え?」

杏子「あ、TVつけっぱなし……誰かしら?」


『本日午後4時半ごろ、新東京国際空港(成田空港)第二ビルにて猟銃を持った男が人質を取って立て篭もるという事件が起こりました―』


杏子「!?」


『幸いにもこの立て篭もり事件自体は空港の警備員によって即座に解決されました―』


杏子「へ〜、そんな事件を警備員が解決しちゃったのね」


『しかしこの事件の目撃者の話では、この事件を解決したのは1人の女性だという話も得られており……―』


杏子「? どういうことかしら……」


『人質となった女性の証言では、犯人に突然飛び蹴りを食らわせた女性がいたという話で―』


杏子「え? と…飛び蹴り!?」


『………警察では人質と目撃者の証言からこの事件解決の人物についての―』


私はこのニュースを聞いたとき、何故か背筋に悪寒を感じ始めていた

同時に額に汗を浮かべているだろうとも私は予測できる


杏子「まさか………」

杏子「(私の知っている人の中でそういうことをする人は……一人いるけど……でもまさか…)」

杏子「い、いえそんなはずはないわ。 さ、さぁとにかく帰りましょ。ちゃ、ちゃんとTVは消して帰らないと」

   (プツッ)

杏子「……今のニュースは観なかったことにしよう。 うん」







21:46 -桐野杏子宅 玄関前-


杏子「ふ〜、なんだかんだでもう22時前……後10分もしたら雄二君が来ちゃうのよね」

杏子「おかげでシャワーを浴びる暇もないし……」

   (ガチャ ガチャ)

杏子「あら? なんか鍵が回りにくいような……」

   (カチッ)

杏子「あ、開いた ……気のせいかしら? まぁとにかく入ってお茶の用意でもしないと」

   (ガチャッ)

   (プチッ ……… カラーン)

杏子「え、なに今の音!?」


私は何気なく音のした方を見ると、そこにTVや映画で観るような、なにより現職についてからは実際に本物も観たことがあるものが転がっていた


杏子「えっ?」

杏子「(え、なんでこんなものが?)」

杏子「(え、これって本物!?)」


私の数瞬のその思いの中突如視界は光に包まれる

いや、光が襲ってきた



    
(ボーーーンッ)








21:49 桐野杏子宅 マンション前


マンションの一室が突如爆発し、その部屋は現在炎に包まれている

そのマンション前の物陰でその様子をつぶさに見ている人物がいる


マローナ「……こちらマローナ ターゲット桐野杏子は予定通りだ」

マローナ「……ああ、ヤツの注文通りの方法で殺しておいた。 ………フッ、私はヘレンとは違う」

マローナ「それにしてもヤツも奇妙な注文をつけてきたな。桐野杏子とは関係のない人間は出きる限り巻き込むななどと ……心配するな、私はプロだ。ヤツがどういう理由で言って来たにしろ注文通りに事は済ませた」

マローナ「それより本当にヤツがあの桐野杏子なのか? あんな初歩のトラップに引っかかるなんてそんじょそこらの素人と一緒じゃないか。とても特殊機関で訓練を受けた人間とは思えない………」

マローナ「まぁ済んだ事だ。後はヤツに約束を守らせればいいだけのこと ………そうだ、破ったならヤツも同じ目に遭わせるだけだ」

マローナ「それじゃあ後で ………うむ」

   (ピッ)

マローナ「フ、明日の新聞の見出しはなんと出るのか楽しみだな」




……………… to be continued



杏子「ちょっとちょっとちょっと!!」

ぱら「ちょっと待ってください〜〜♪」

杏子「ババン♪ ………って、なにやらせるんですか?」

ぱら「ネタ古すぎ! っていうか全然違ってるからほとんどオリジになってる」(笑)

杏子「………そ、そんなことはどうでもいいんです! なんですか私死んじゃったんですか?」

ぱら「う〜ん、杏子もこれじゃあ死んでも死にきれないだろうね〜〜」

杏子「どっちなんですか!!!」

ぱら「そりゃ〜さ〜君。 今後の展開をベラベラ喋るなんてそんなアホみたいなことできるわけないでしょう?」

杏子「で、でも………」

ぱら「大丈夫、安心しなさい」(にっこり)

杏子「え、じゃあ私は死なないんですね!?」

ぱら「ううん、お前の後釜は雄二にでも引き継がせるから。だから安心して死んでていいよ」

杏子「そ、そんな〜〜〜」

ぱら「あ、霊界に行ったら名物の霊界饅頭お土産によろしく♪」

杏子「な、なんですか……それ?」

ぱら「観光地の土産って言ったらもちろん饅頭でしょ? 霊界にも当然あるはずさ!」

杏子「イヤです! なんで私を…主役の私を殺しちゃうような薄情な作者に買ってこなくちゃならないんです!!」

ぱら「そこはその〜………ギブ・アンド・テイクってやつで」

杏子「え、じゃあ私生き返るんですか!?」

ぱら「よし、じゃあ特別にいかしてあげよう!」

杏子「え、生かしてくれるんですね♪」

ぱら「ああ、逝かしてあげるとも♪」

杏子「♪♪♪」


ぱら「はたして杏子の命運は如何に!?」




爆炎に包まれた杏子
はたして杏子の安否は!?
気になるところだけど次回は小次郎編Z!!
フリッツvs小次郎
二人の戦いの結末は如何に!?
そして小次郎の危機にあの人物もとうとう!?

次も読まないと1919ぶっ放しちゃうわよ♪


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EVE Endless Rhapsody