小次郎編T





AM11:20 あまぎ探偵事務所



小次郎「ンゴォ〜〜〜 …… グゴォ〜〜〜〜 ……」

小次郎「………」

小次郎「……ん、んん………」

小次郎「…………」

    (ムクリ)

小次郎「(ここは……どこだ……)」

小次郎「おぉ、ここは俺様の城(事務所)ではないか……」

小次郎「(なんで俺はこんな所で……っていうかいつ帰って寝たのかサッパリ思いだせん……)」

小次郎「ん〜〜〜……―」

    (ポリポリ)

小次郎「痛ェッ……!!」

小次郎「アイテテ……なんか左腕が……」

小次郎「!!」


俺の左腕にはいつのまに怪我したのか、包帯が巻かれていた

俺は正直なんで左腕に包帯が巻かれているのか。そしていつ怪我をしたのかいまひとつ思い出せない


まりな「はろはろ〜〜〜♪」

小次郎「どわぁっ!!」

まりな「おはよう小次郎! 快適なお目覚め?」

小次郎「ほ、ほ、ほ……」

まりな「ほーほけきょ?」

小次郎「違う!! お前は法条。なんでお前がここにいるんだ!」

まりな「なんでって……ご挨拶ね〜」

小次郎「はっ!! お前がここにいて俺が怪我してるってことは……もしかして俺様は死んでしまったのか!?」

まりな「………」

小次郎「そしてお前がここにいるということは、ここは地獄か?」

まりな「なんでよ!! あのね〜〜〜〜………あんた昨夜のことなんにも覚えてないの?」

小次郎「昨夜のこと?」

まりな「あんたまさかアタシにあんなことしておいて忘れたなんていうんじゃないでしょうね!!」

小次郎「な、なに!? あ、あんなこと?」

まりな「そうよ!アナタが今考えているあんなことやそんなことをこのまりな様にしたっていうのに」

小次郎「待て待て待て法条! ちょっと落ちついて考えさせてくれ…」

まりな「…どうぞ」

まりな「(うぷぷぷ……こ、小次郎ってばからかいがいがあって楽しい〜)」

小次郎「……なぁ、法条」

まりな「どう、思い出せた?」

小次郎「嫌な、一つ確認しておきたいんだが……お前確かアメリカにいるはずじゃないのか?」

まりな「う”っ……そ、それは……」

小次郎「それとな……今思い出せそうで思い出せ………」

小次郎「…………」

小次郎「ああぁぁーーーーーーーっ!!」

まりな「な、なによ…やっと思い出したわけ?」

小次郎「あ、ああ……俺は確か昨夜ネオ・ナチのフリッツってヤツと対峙して……それで首絞められてもう駄目だって思ったとき……」

まりな「そっ、私が助けたってわけ。大変だったのよ、記憶をたどりながらアナタをここまで運んできたんだから。それと彼女にも感謝することね」

小次郎「………彼女? ……感謝?」

まりな「あきれた……氷室さんに決まってるでしょ。ここに運んだ後彼女に連絡したのよ。あなたのこと話したら彼女すっ飛んできたわよ」

まりな「あいにくと弥生には連絡つかなかったし」

小次郎「そ、それは助かる……」

小次郎「(弥生にこんな姿見せたくなかったからな……)」

小次郎「そ、それで今氷室はどこに……?」

まりな「……そこ」

小次郎「…どこ?」

まりな「だからそこよ!あなたのその投げ出してる足元よ」

小次郎「足元って………ああっ!!」

まりな「しぃぃーーー。彼女あなたの傷の手当てと看病でロクに寝てないんだからソッとしておいてあげなさいよ」

小次郎「あ、ああ……で、お前はどうしてそんなに元気なんだ?」

まりな「当然私は氷室さんに任せて上のソファで一眠りさせてもらったわ。 私は友人としてあなたを助けてあげて運んであげはしたけど看病する義理はないからね」

小次郎「ぐっ……よくもそうはっきり言えるな」

まりな「性分よ!!」

小次郎「そんなこっちゃお前に恋人なんか……―」

    (ぐりぐり)

小次郎「イッテェーーー!! バ、バカ。そこは傷口……」

まりな「余計な口を挟むからよ。これ以上言うならまたグリグリするわよ」

小次郎「わ、わかった! もう言わないからそれはマジでやめろ。お前にそれやられると治るものも治らん」

まりな「……なんか納得がいかないけどわかればよろしい」

小次郎「………」

まりな「なによその恨めしそうな顔は……」

小次郎「実に恨めしいのだが」

    (ぐりぐり)

小次郎「わっ、バカまた! だから痛ェーって!!」

まりな「余計な口を挟むとまだまだするからね」

小次郎「わ、わかった! 本当にもうなにも言わんから!!」

まりな「まぁそろそろ真面目な話をしましょう」

小次郎「おぅ!」

まりな「…………」

小次郎「……どうした法条?」

まりな「あんたって……… なにかボケかまさないと気が済まないの?」

小次郎「なんのことだ………?」

まりな「真面目な話をしようとしてるのにそのひょっとこみたいな顔はなんなのよ!!」

小次郎「わ、バカ! 言わなけりゃ読者には分からないんだぞ!!」

まりな「話してる私は不愉快なのよ」

小次郎「一時の不愉快ぐらい……―」

まりな「またぐりぐりするわよ…」

小次郎「わーっかった、わかった! ちょっと最近影が薄いような気がしてたからここで主役の座を守ろうとしただけだ」

まりな「なによそれ……ってかこんな話してると後書のトークショーみたいだから先に進めるわよ」

小次郎「う、うむ……それこそなんのことだかわからんが依存はない」

まりな「で、昨夜のあれはどういう経緯だったわけ? ここまでの展開が正直まだ掴めてないのよ。なにしろ昨日日本に着いたばかりだしね」

小次郎「昨日!?」

まりな「そっ。おまけに空港で一悶着あって大変だったんだから

小次郎「ほ、ほぉ〜〜〜」

小次郎「(相変わらずいろんなトラブルに巻き込まれては首を突っ込んでいるようだな)」

まりな「で……またあの国が係わってるわけ?」

小次郎「そうだな……お前には話しておかないとな」














小次郎「………つまりそういうわけだ。これが俺が今までに知り得た情報だ」

まりな「なるほど、ネオ・ナチね。その陰にエルディアの臭いが漂っているわけね」

小次郎「ああ、俺はまだ桐野達が追っている……ここでそいつを仮にでもテラーとしとくが…… そのテラーが暗躍している可能性がある」

まりな「まったくの偶然って可能性は?」

小次郎「ああ、俺もそれは考えた。だけど俺にはとても偶然だなどとは思えない」

まりな「そうね……エルディアと繋がりのあるネオ・ナチのダミー会社。そしてそこを襲ったテラー……」

小次郎「そして昨夜俺はそのネオ・ナチの殺し屋に狙われたってわけだ」

まりな「ああ、やっぱアイツってばネオ・ナチだったのね。言葉の端々にドイツ訛り聞き取れたからそうじゃないかと思ったけど……でもアイツがそんな重要人物だったなんて失敗したわね…」

小次郎「ん? どういうことだ……そういやお前あいつをあの後どうしたんだ? もちろん不本意にしろ警察には渡したんだろ?」

まりな「そ、それがね……テヘッ」

小次郎「テヘッって……まさか逃がしたんじゃあ?」

まりな「ううん、小物だと思ったからその場に放ってきちゃった……エヘッ」

小次郎「………」

まりな「アハハハハ、ゴメンゴメン」

小次郎「お前な〜……あいつを尋問すればこの後の展望だって開けるんだぞ」

まりな「だ、だって……絶対小物だと思ったんだからしょうがないじゃない」

小次郎「俺様を殺し掛けてたやつが小物か!!」

まりな「あ、そういえば……ごっめーん、どうやら時差ぼけ気味だったみたい」

小次郎「責任転嫁するなよな!」

まりな「うっさいわねー!私はあなたを助けてあげたのよ!!私がいなかったらアンタ今頃こんな所でのんびり寝てなんかいられなかったのよ」

小次郎「う”っ」

まりな「そうそう。私はあなたの恩人であって感謝されこそすれ非難されるいわれはないわ」

小次郎「……そういやお前……なんであんな時間にあんな所にいたんだ?」

まりな「う”っ」

小次郎「う”っ、ってまさか……… ここの場所がわからなかったんじゃ……」

まりな「そ…そうよ、道に迷ってたのよ! なにか文句ある!!」

小次郎「………クククク、確か桐野も同じようなこと言ってたぜ。教官といい教え子といい似たもの同士だな」

まりな「ばっ……私をあんなドジの塊みたいな子と一緒にしないでよ」



  *******************


杏子「クチュンッ ……Zzz ……Zzz ―」

杏子「う、うう〜〜ん ……Zzz ……Zzz ムニャムニャ ……」


  *******************



まりな「と、とにかく……ヤツを逃がしちゃったのは確かに私の落ち度だったわよ」

小次郎「お、えらく素直じゃないか」

まりな「私はいつも自分に正直なだけ」

まりな「(もちろん嘘もつくけどね)」

小次郎「確かに済んでしまったことをあれこれ言っても始まらんな」

まりな「でしょでしょ!」

小次郎「………」

氷室「……ん…」

小次郎「おっ!?」

まりな「あ…氷室さん起きたみたいね」

氷室「……んん…」

まりな「おはよう氷室さん」

氷室「……法条さん………小次郎!!」


小次郎「よぅ!目覚めの機嫌はどうだ氷室?」

氷室「……ば……ばかぁ!!」

小次郎「どわっ」

    (ドサッ)

まりな「あらあら〜〜〜」

まりな「(氷室さんってば起きるなり小次郎に抱きついちゃって……まっ、無理もないか……彼女も弥生と一緒で一途だもんね)」

小次郎「イ…イテテテ!! 氷室、俺様はまだ左腕が痛いんだ」

氷室「小次郎、大丈夫なの怪我は!?」

小次郎「あのなー……ベッドから突き落として『大丈夫なの?』はないだろ……」

氷室「だって…… アタシ…アタ……」

小次郎「ど、どうしたんだよ……そんな泣きそうな顔して」

氷室「だって…だって小次郎あんなに血を流して帰ってきて………もう起きないんじゃないかと私……私心配したのよ!! 本当に心配してたんだから」

小次郎「あのな〜……俺様は不死身だ! あんな程度で死ぬわけがないだろ?」

氷室「それでも心配したんだからぁーー!!」

小次郎「わっ、また………お、おい氷室……… イッテェー!! き、傷口がぁーーー!!」

氷室「きゃぁーーー!! ちょ、ちょっと小次郎大丈夫!?」

小次郎「うおぉぉーーー……ひ、左腕がジンジンするーーーっ!!」

氷室「た、大変。 氷、氷……」

まりな「あらあら……結局お約束になるのね。 ……これからどうなるのやら」

小次郎「(こ、これがオチかよ……)」




…………… to be continued


まりな「とうとう3日目に突入ね」

小次郎「おう!話もやっと核心に迫る勢いだ」

まりな「……長かったわね」

小次郎「ああ……長かった」

まりな「ここまで来るのに3年と3ヶ月もかかったのね……」

ぱら「(うぐっ)」

小次郎「そうなると終わるまでにはこの先どのぐらいかかるのやら」

ぱら「(うぐぐぐっ)」

まりな「で、どうなのよ作者! そのへんの見通しは?」

ぱら「え!?」

小次郎「どうなんだよ」

ぱら「え〜〜〜〜っと……」

まりな「まさか何にも考えてないなんていうんじゃないでしょうね?」

ぱら「ま…まさかそんなこと…アハハハハ」

小次郎「顔が引き攣ってるぜ」

ぱら「あっ、でも一つだけ言える事が」

まりな「なによ?」

ぱら「今年もこのEVE小説をヨロシクってこと! それじゃ!!」

    (ダダダダッ)

まりな「あっ!! ったく逃げ足ばっかり速いんだから」

小次郎「まったくだな」

まりな「まぁあんな作者でこんな主人公達ですけど今後とも末永く見守ってやてくださいね」

小次郎「今年もよろしくな!」


小次郎との再会を果たしたまりな
果たして彼女の真意とは!?
そして気になる杏子の安否
次回 杏子編T!

次も読まないと1919ぶっ放しちゃうわよ♪



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